Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
NOVEMBER 一年で一番好きな11月。 秋の終わりと、冬のはじまりが交差して、 青空の日も、曇天の日も それぞれに好ましい。 小春日和の日曜日。 ちょっと気分転換に歩かない? 娘を誘い出した。 スニーカー履いて、 右耳と左耳、それぞれイアフォンを半分こずつして 気休めにリスニング問題を聞きながら 澄んだ空気の中、早足で歩く。 いつの間にか、イアフォン外しておしゃべりに夢中。 でも。 歩きながら、風に吹かれながら、 それぞれが前を向いて歩みを進めながら うっかり、いい話ができてたりする。 こういう時にしかできない話ができてたりする。 今年もまた、 晩秋のブランケットにくるまれる。 11月は、そんな月。 先月、祖母を見送った。 秋晴れの日曜日、隣県の入院先へ。 午前中に、筆談で見舞い 午後にもう一度病室を訪れた時は、静かな寝息が聞こえていたので 声をかけずにそっと退室。 帰りの高速道路で、息をひきとったと知らせを受けた。 そんな流れだったことや、 大往生ということもあってか、 あの日以降、生と死の堺がうまく見つからずにいる。 生と死はひと続きのもので 死もまた、生の一部なのかもしれない。 山間部の葬儀場周辺は紅葉が進みかけており、 乾いた秋風がもみじを揺らしていた。 広島在住で、 いつも「もみじまんじゅう」で迎えてくれた祖母。 享年 99歳。 娘が誕生日を迎えた。 友人からのお祝いに 「最高かよ」と、はしゃぎつつ(「かよ」かよ!!) リクエストされていた「陰翳礼讃」を贈ると 静かに唸っている。 光があるから、影ができ、 影があるから、光はある。 18歳、青春の光も影も満喫せよ。 じきに訪れる、華やぎと忙しさの気配を感じつつも、 今はまだ、ひっそりと11月にかくまわれていたい。 晩秋のブランケットにくるまれていたい。 (2019.11月) |
|
|