Blue Willow のある食卓 vol.13
どんなものと合わせても
いつも新鮮な驚きをくれるブルーウィロウ。
はっとさせられる瞬間を
暮らしの中から切りとって。
「ママと一緒に パンやさんに行くお話だよ」 いつもそんな風に前置きをして、しばらく表紙を眺める。 パン屋さんに入ろうとしている 小さな女の子とお母さん。 ウィンドウ越し見えるのは、美味しそうに焼けたパン・パン・パン! 二人に続いて、本の中に入り込むと くろわっさん、しょくぱん、ふらんすぱん、さくらんぼのはいったぱんが ふんわりと優しいタッチで並んでいて ‘ぱん ぱん ぱん。 これも これも、おいしそう。
「きのうのわたしはどこに行ったの?」最近、娘がよくそう尋ねてくる。 時間の感覚が備わっていない子供ならではの問いではあるけれど、 「昨日のあなたは もういないんだよ」 そう伝えながら、その言葉にはっとするのは私の方だ。 昨日のあなたは もう いない。 そして思い出す。 彼女がまだほんの赤ちゃんの頃、 「早くこんな風に手をつないでお買い物にゆけたらいいのに」と思いながら 何度もページをめくっていたことを。 そもそも、これは子供のために買ったはじめての本だ。 彼女がお腹にいたわけでもない。 でも本屋でこれを見た時、いつか子供と読むんだという不思議な確信があった。 そして実際、娘が誕生してからは まるでおもちゃのように、子守歌のように 生後数ヶ月から、この小さな絵本と親しんできた。 何も分からず 紙の手触りを確かめていただけの赤ちゃんは やがてお座りをして 自らページをめくるようになり、 立ち上がる頃には 色や形、そしてパンの味を覚え、 部屋中 本を抱えて歩き回りながら、日々 その世界を広げ、 早すぎた一冊も、物足りないほどになってしまった今、 気が付けば、あの頃のささやかな夢は叶い 今日もわたしたちは手をつないでパン屋さんのドアをぐぐっている。 まるで表紙の二人みたいに。 そういえば先日、彼女はウィロウを指さしてこう言った。 「ママのカップで 私も飲みたい」 いつも自分のカップでなければ駄々をこねるというのに。 日々、流れているのだ。 昨日ではない今日が、確実に流れている。 「今日は パン屋さんに行くよ!」 口の回りのミルクのおひげをふき、日焼けどめクリームを塗り、シャツのシッポを入れてやる。 その合間に、せわしなく自分の身支度を調えながら パン屋さんではきっとトレイやトングを持ちたがって大変だぞ、と心する。 そして そんなあわただしさの合間に、ちっちゃく肝に銘じるのだ。 昨日と今日とは繋がってはいるけれど、昨日のあなたはもうどこにもいない。 今日のあなたを、見失わないように。
*ちょうど二年前のアルバムにも、ほら、一緒に写っていました。 「ぱん、だいすき」 描かれている茶色いポットが我が家のものとそっくりなのです。 「こどものとも ぱん だいすき」(福音館書店) 征矢 清 ぶん ふくしま あきえ え (2004.6.30) |
まさに美味しい一冊でした |
今日は、野菜カレーを発芽玄米で。 挽肉であっさりと煮込んだカレーに 別鍋でソテーした茄子やパプリカを、どっさり! イライラしてコワイ顔になっている時、落ち込んで元気がない時、疲れてげんなりしている時、 「ママ、かわいくなって!」と娘が言います。 暑い季節に食べるhotなカレーは、元気と笑顔を運んでくれそう。 発芽玄米の甘みも もぐもぐじっくり噛みしめます。 ママ、かわいくなるよ。 君も、よい子にね。 (2004.6.16) |