Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
あたたかいスープの恋しい季節。 クラムチャウダーを作りました。 とろり、とクリーミーなスープの湯気の先には 一足早く出したクリスマスツリー。 殺風景なほど飾りの少ない我が家のツリーに 今年はひとつ、新しいオーナメントを加えてあげることができました。 女の子と猫がソリに乗っているスウェーデンのオーナメント。 先日、デパートの「北欧のクリスマス展」で買ったものです。 娘とふたり、バスの窓から色づく木々を眺めながら出掛けた日。 秋の終わりの一日であり、 それは又、彼女1才最後の日でもありました。 娘の成長はもちろん嬉しいのですが 1才が終わるとなんだか特別な魔法がとけてしまうような気がして 複雑な気持ちでバスに揺られていた私。 会場で目にした憧れの刺繍「クリスマスカレンダー」シリーズや 娘にかけていただいた優しいお言葉と共に 私自身のこの微妙な心模様も 忘れられないものとなるかもしれません。 |
賑やかな落ち葉の絨毯の上。 歩き回って、歩き回って 走り回って、走り回って、 帰りはことん、と眠りに落ちたね。 今夜はかぼちゃのグラタン。 お皿の中の鮮やかな黄色を見たら 色づいた公園をまた、思い出しちゃうかな。 アツアツ、ふうふう、気をつけて。 ほら、しめじばっかり食べないで ちゃんとかぼちゃも食べなさい! どこにだって、 もちろん公園にも このバッグを。 おやつとティッシュとゴミくずが入ってるの、 たいていいつもね。 |
Dove Cottageの名で親しまれているのは、 イギリス湖水地方はグラスミアにある、 ロマン派の詩人、ワーズワースの家。 残念ながらまだそこを訪れたことはないのですが、 結婚五年目の記念に、 車で行けるティールーム「Dove Cottage」に行ってきました。 梁のめぐらされた室内に 落ち着いたダーク調でまとめられたインテリア。 壁にかけられた沢山の額縁や、 ステンドグラス越しのしっとりとした光。 そして何よりも、そんな室内と 大きなガラス窓越しの庭の緑とのコントラストが 英国を感じさせてくれる心地よい空間となっています。 ローストビーフのサンドウィッチと、ケーキを数種頼んで、 家族でお祝いのランチを! 一歳の娘連れ、ということで 人の少ないであろうランチタイムに出かけたのですが おめかしして、大きなお皿の前にちょこんと座る娘は なかなかのレディぶり。 こちらの心配はよそに、おとなしくフォークを握り、 その姿には思わず笑ってしまうほどでした。 (よほどケーキに夢中だったのでしょう!) おかげで私達も、たっぷりと厚いキルティングのティーコゼーに守られた熱いお茶を 最後まで楽しむことができました。 ブルーウィロウ? 英国テイストのティールームですもの、 もちろんカップボードの上に、お皿が飾ってありました。 おみやげに鳩の形のビスケットを買ってお店を出ると、 折からの雨で、庭の林檎の木が美しく濡れそぼっていました。 所在地・倉敷市沖293 |
しめった風が吹き抜けて、
青々と茂る草の匂いが、より一層濃厚になる。 「濃い」と思う。 ここは匂いも、色も、形も、音も、本当に全てが濃い。 住まいのある町から、車でほんの一時間。 けれども、夏の「濃さ」が圧倒的で、暑さの質もまるきり違う。 もちろん夏に限らず、四季それぞれ ここにある全て、 その存在感はみっちりと濃い。 「こんな場所で育って どうして君がデザイナーになろうとしたのか分からない」 以前、都市で働いていた万蔵氏が同僚をこの地に連れて来た時、 そう同僚は言ったという。 長い間、それは私達の間で笑い話となるエピソードだったけれど 今の私なら 分かる気がするのだ。 新しいものを創り出す仕事と、時間の止まったようなこの場所とは、 一見、対極にあるものにも見える。 けれども、ここには、物そのものの姿が在る。 色や形はストレートで多彩。 生命力に溢れた天然のデザインは 見る者のイマジネーションを刺激し、 美しい形への憧れを育むに違いない、と。 「この子が将来、どんな環境の中で生きてゆくにしても・・・」 帰りの車、娘は野花を手にぐっすりと眠っている。 お昼寝も忘れて、ずっと遊び続けていた彼女。 「・・こんな夏を知っているのは、しあわせなことだよね」 何かを介するのではなく、蝉の声は蝉の声として、 雲の形は雲の形として、トマトの赤はトマトの赤として、 自然の音を、形を、色を、そのまま夏の記憶に刻みこんで欲しい。 山を下った所で、一台のバスとすれ違った。 その昔、今となにひとつ変わらないこの緑の山をくだり、 彼はバスと電車を乗り継いで、絵を習いに通っていたという。 この景色に包まれて、遙か未来を描いていた少年の彼、 もし叶うなら、会って話しがしてみたい気がする。 なんて思いながら、私もそっと目を閉じた。 |