Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
外はあいにくの雨だけど、弾む気持ちでお寿司の具を煮ています。 お砂糖と醤油の甘辛いにおいが、 次第に濃くなってゆくにつれて ウィロウの鉢に、味のしみた具が並んでゆきます。 3月3日、おひな祭りの日。 嬉しいことががありました。 万蔵氏の作品が‘あかりコンテスト’で入選したのです。 応募してみようかな・・・と、アイデア画を見せてもらった時から 初めての点灯!と、家族でわくわくとスウィッチを入れるまで、 彼が仕事から戻り、深夜まで、少しずつ作品を制作する姿を見ていましたから その嬉しさは、ひときわ。 倉敷をイメージした灯り、という応募規定に沿い かの街の白壁を思わせる、和風の佇まい。 灯りをともすと、もれくる光の表情がどの角度から見ても異なり 幽玄で、雰囲気のあるものです。 今回、制作過程を見ていて 私は大きなことを学んだ気がします。 最終的に彼は 発泡スチロールとモデリングペーストだけで 作品を仕上げました。 アイデアの段階でいくつもでていた案の作品は もっと複雑で、凝っていて、ゆえに立派に仕上がりそうでしたから 当初 私は、無理をしてでも、 そちらを目指せばいいのに、と考えていました。 けれども、彼はちゃんと知っていたのです。 実際に作業ができるのは、深夜のほんの数時間。 それも、本来の仕事をこなしながら・・・ですから そう簡単に時間がとれるものでもありません。 その上、そんな時間にマンションの一室で、大きな音をたてて作るわけにもいかないので 自ずと、作業の幅も狭まります。 又、道具や材料は、お金をかければ調達することも可能ではあるけれど 身近なもので工夫して、 そこから何かを創り上げることも面白いのではないかということを。 そういう全てを考慮して取りかかったと知りつつも、 はじめ、彼が選んだ発泡スチロールという素材は、 なんとも頼りなげに映りました。 私は何度か身勝手に意見したと思います。 けれども、彼は黙々とそれを切り、組み合わせ、ペーストを塗り、 短期間で、もちろん音も立てず、低コストにて 作品に仕上げていったのでした。 仕上がった灯りの、想像以上の美しさを目にしたとき ‘あらゆる状況を加味して、できる状況の中で、ベストのものを目指す。’ 私は、彼のそんな姿勢を素敵だと思うようになっていました。 それは、実際、何より私には欠けているところだったからです。 後でしわ寄せがくるような無理を重ねてまでも 私はいつも、自分の中の一番を通さないと気が済まないところがあります。 そんな性格ゆえに、これまでにいくつもの失敗をしてきたというのに 今なお、そういう部分はなかなか直りません。 all or nothing 仮に、私がこのコンテストにエントリーしようとアイデアを思いついたとしたら どうかしら、と考えてみます。 きっと、何かを犠牲にしてまでも 徹底的に時間とお金をつぎ込んで、自己満足を満たしたか、 そうでなければ、この材料でできないなら、作らない。 この条件だったら、私には無理だ。 そんな風に諦めていたことでしょう。 まさに、all or nothing 今回、限られた条件の下、 よりいいものを創り出そうとする彼を見て all とnothingのあいだには、いくつもの可能性があり、選択肢があること。 自分次第で、工夫次第で、そこから生まれるものも多くあること。 そんなことの素晴らしさをあらためて感じました。 自分の置かれた状況を言い訳にしたり 些細なこだわりを理由にすることで そのあいだの可能性をつみ取ってしまうのは、もったいない! 自分に言い聞かせている私です。 (2005.3.3) |
バレンタインデイ前日の日曜日。 カーラジオで ザ・ビートルズの♪When I'm sixty-fourがかかりました。 When I get older losing my hair Many years from now Will you still be sending me a Valentine Birthday greeting s bottle of wine (まだずっと先のことだけど 僕が年をとって、髪の毛がうすくなったとしても キミは バレンタインや バースデーカード、 ワインを僕に贈ってくれるかい?) そんなフレーズで始まる、軽快な一曲。 数多いビートルズの曲の中でも、ベスト5に入るお気に入りで 以前より、なんてチャーミングなんだろう、と 大好きな一曲です。 You'll be older too. And if you say the word I could stay with you I could be handy, mending a fuse When your lights have gone You can knit a sweater by the fireside Sunday morning go for a ride Doing the garden,digging the weeds Who could ask for more Will you stilll need me, will you still feed me When I'm sixty-four. (キミだって 一緒に年を取るのさ
もし キミがそれでいいって 言うのなら ずっとキミの傍にいてあげるよ 僕は役に立つんだから 電気が切れたら ヒューズを直してあげたりするし キミは暖炉のそばでセーターを編んだり 日曜の朝のドライブに出かけたりしよう 庭仕事をしたり 雑草を抜いたり それ以上のことは 望まないさ まだ、僕を必要としてくれるかい? まだ、僕に食わせてくれるかい? 僕が64歳になっったとしても・・・) 翌、バレンタインデイ当日。 娘と一緒にハート型のクッキーを作りながら まだ あのメロディーが頭から離れません。 粉を混ぜがら、型をぬきながら ハミング。 この歌のように、私達も仲良く年を重ねていきたいものです。 64歳になっても、ウィロウジャーナルを綴っていられるかな? (2005.2.15) |
二月。 始まりの春には少し早いですが 娘がInternational Preschoolに通い始め、 新しい暮らしがスタートしました。 まだまだ親子の自由な時間を楽しみたい、と幼稚園への三年保育は見送った私達ですが 子供は子供と一緒に、育つもの。 そろそろ親のいない所で、 子供同士ならではの‘育ち合い’の場をもう少し与えてあげたいとの想いも強く持っていました。 又、いわゆる勉強として英語と出会い、ずっとそれと関わってきた私にとって 勉強ではなく、‘環境’として外国語と接することに、憧れと可能性と感じていましたし 行く先の分からないままに加速する日本の子供英語教育に疑問を持っていましたので 特別なお勉強や知識としてではなく、 あくまで道具としての言葉、というスタンスで英語を捉えることの出来る International Preschoolの存在は、とても魅力的に思えました。 娘、三歳三ヶ月。 日本語の基礎は、ほぼ確実になりましたから 今、この選択をすることはきっと彼女の世界を広げてくれるでしょう。 そういうわけで、登園日数や時間をこちらが決めることのできるInernationalPre schoolを選び 週三回ほど午前のみ通園させることにしたのです。 登園初日 予想通り、娘は私から離れようとせず号泣しました。 始まりの時間になってしまったけれど、しがみついています。 多くのお母さんが経験する切なさとはいえ 私の胸も張り裂けそう。 けれどもそれを振り切って、車に乗り込み、心の中で娘に声援を送りました。 これから3時間半は、出産後はじめての一人きりの時間です。 この時間に、やりたいことややらなくてはならないことは沢山あり それを心待ちにしてはいるのですが 初日の今日は、特別! 頑張っている娘にロールケーキを焼くことにしました。 折しも 寒波到来で今年一番の寒さ。 白く吹雪いている窓の外のように 「大丈夫かしら」と私の気持ちも落ち着きません。 そして・・・・そわそわした心がでてしまったのでしょう。 スポンジを巻くときには、見事に失敗してしまいました。 それでも帰宅した娘は、ロールケーキを喜んでくれました。
おやつを終えたら、早くもPreschoolごっこです。緊張が解けたのか、いつもより饒舌でハイテンション。 Preschoolでのことも、早速いろいろと話してくれて 寒い寒い冬の日のロールケーキ。 子離れの第一歩の日のロールケーキ。 娘の社会生活一日目のロールケーキ。 形は崩れてはいるけれど、今日のケーキを私は忘れることはないでしょう。 いつもそれをそっと支えてくれている ウィロウと共に。 ちょっぴり不安? ・・・・大丈夫。 You can do it. (2005.2.3) |
♪おかあさん なあに おかあさんて いいにおい おりょうりしていた においでしょ たまごやきの においでしょ 屈託のない歌声がお風呂場から聞こえていて ずきん、と胸が痛んだ。 あんな叱り方をして、ごめんね。 目の前の怒りにまかせて、 言わなくていいことまで、口ばしってしまった・・・ もっと違う叱り方があったのかもしれないのに、と 私自身に余裕が足りなかったことを反省しています。 パパとゆっくりあたたまっておいで。 あがってきたら、ママ謝るね。 そしてベッドで一緒に本を読もう。 明日の朝は、たまごやきを作るよ。 レストランに行って、何が食べたい?って聞くと 「たまごやき!」って答えてくれるほど あなたの好きな たまごやきをね。 ママのお母さんから受け継いだ、ちょっぴり甘めのたまごやきを。 (2005.1.20) |