Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
新婚時代に購入したウィロウのミニチュア、 最近は引き出しの奥で眠っていることが多かったのですが 晴れて、新しい場所を得ることができました。 え、棚に比べてウィロウの器が大きすぎるのでは? なんて言いっこなしですよ。 娘は今年初めてサンタさんに手紙を書きました。 字を書くことがブームの彼女ですから 何の気なしに誘ってみたのですが、手紙を見てびっくり。 そこには、ドールハウスが欲しいと書かれていたからです。 ドールハウスは、本場ヨーロッパでは単なる玩具の域を超え、 代々受け継がれるような存在なのだそう。 以前そんな記事を読み、 私自身、なんとなく憧れは感じてはいましたが 調べてみると、今の日本で手に入るものは いくら長く使えるといっても、これほども・・・と 躊躇してしまうようなお値段がついています。 はて、どうしたものか。 手紙を書き終えた娘は嬉々としてそれをツリーに飾り 楽しみにしている様子。 手紙には 「わたしはサンタさんがだいすきです」なんて 書き添えてもあるのです。 その希望を叶えてあげたいけれど・・・ 万蔵氏と話した結果、 せっかくなので作ってみようということになりました。 とはいえ、材料をホームセンターで調達したり 夜な夜な、それを切ったり、組み立てたり、 9割以上は彼が担当。 私が積極的に関わったと言えば、 壁紙を選んだことくらいでした。 完成したのはギリギリでしたから 家具などをきちんと用意できる余裕もなく、 食器棚とキャビネット、そして椅子を2脚ほど とりあえず100均で手に入れてディスプレイ。 必要なら追々増やしてゆけばいいと思い その状態で ツリーの下に置いておきました。 クリスマスの朝、娘は大喜び! お人形を総動員したり 積み木で 新しい家具を作ってみたり 小物が少なくて室内が寂しすぎかな、 なんて心配は無用だったよう、 手元にある物と、想像力で どんどんお部屋の中は賑やかになってゆきます。 遊んでいる途中で、 私が10代の頃から持っていたオルゴールのピアノや お友達が折ってくれた折り紙のバラ、 そして、ウィロウのミニチュアなど シチュエーションに応じて、いろいろ加わって。 あたたかなおうちと、 楽しいクリスマスの思い出をありがとう、 サンタさん! (2006.12.25) |
駆け抜けたような数ヶ月でした。 出産してこちら 家庭内でのことだけに専念していた時期を経て、 この秋以降は いくつか自分の為の新しい場所を得、 それぞれの責任と向かいあう毎日でした。 思い切って始めたそれらのことは、 それが仕事であれ、無償のものであれ 時に、そのどれかに行き詰まりそうになると 全く異なる他のものの存在が うまくバランスを取ってくれることとなり 結果的に、自分を保ってくれるのでした。 プリスクールのクリスマス会もまた、 新しい役割のひとつ、PTA役員として関わった 初めての行事でした。 子供達は、ワッフルコーンにアイシングをかけて お菓子でデコレーション、 甘い甘いお菓子のツリーを作ります。 ♪Must be Santaと元気に歌えば 雪の中、サンタも現れて! 最後は、お母さん達で持ち寄ったごちそうを囲んで にぎやかなランチタイム。 窓の外の雪は止むこともなく、 教室は歓声と美味しいにおいが満ち、 これ以上ないというほどの クリスマス会日和。 どうかな・・・と思いながら引き受けた役員でしたが 子供達の満足そうな顔を見ていると こちらも幸せな気持ちに。 与え合う、分かち合うことの喜びも、 クリスマスのひとつの意義なのだとしたら 私も又、贈り物もらった一人なのですね。 とりあえず、いろんなことが一段落ついて クリスマス会で作ったにぎやかなお菓子のツリーと 定番の音楽と、で ようやくひと息・・・・のイブイブです。 クリスマスの音楽と言えば、 やはり何よりこちらははずせませんが、 ジャンルは全く異なりながらも 同じくらい好きなのがこのアルバム。 VINCE GUARALDI TRIOの 「A CHARLIE BROWN CHRISTAS」 ふんわり、緊張をといてくれるかのように 流れるJAZZナンバー。 なんといっても 格好いいのです! このひと月ほど 夕食の時間に、又、夜のひとときに このCDをかけない日はなかったほどでした。 今夜もまた、心地よく疲労した身体に 軽やかなメロディーが染み渡ります。 (2005.12.23) |
それはアイルランドの古い民謡なのだそう。 古代から音楽が盛んだったこの国に 受け継がれてきた旋律。 「柳(willow)の庭で僕は彼女に出会った」で始まる歌詞は、 もともと村の老人が口ずさんでいたものをもとに、 ケルト文化を愛した詩人W.Bイェイツが詩をつけたものだとか。 「サリーガーデン」は(原題「Down by the Sally Garden)」 豊かな情感をたたえた、味わい深い佳品。 どこか物悲しくも、懐かしいぬくもりを持ったメロディーに 心地よく自分を委ねられる人も多いのでしょう。 日本でも、歌はもちろん さまざまな楽器による演奏で親しまれていますが 秋という季節と、 どこかで共鳴し合っているのかもしれません。 弦楽器ならではの、つややかで、奥行きのある響きが とりわけ 今の気分。 ヴァイオリンでの演奏をよく聴いています。 ようやく明るくなり始めた 午前6時前。 朝の張りつめた空気の中、 「サリーガーデン」に耳を傾けていると娘が起きてきました。 幾重にも重なる色を帯びた窓の外を見てつぶやきます。 「朝なのに、どうしてお空が夕焼けなの?」
ウィロウの園を懐かしむ、 |
ジョン・アップダイク作の「十月はハロウィーンの月」は 季節の風景と、その歓びを子供の目線で謳った 詩と絵のカレンダー。 アメリカのそれと、私達の四季の風物詩は もちろん、必ずしも重なるわけではないけれど、 折り折りに、ページをめくってみたくなる 素敵な、素敵な一冊です。 ‘さわやかな風は リンゴの皮の味がする。 空気はどこも 匂いにみちている’ このフレーズは9月の章のもの。 高く青い秋空の下、自転車を漕ぎながら、 けれども、これはまさに、今の私たちにぴったりだなあ、と 匂いに満ちた10月の空気を 何度も大きく吸い込むのです。 匂いといえば、やはり、なんといっても 風にとけ込んで街中に漂っている金木犀。 鼻の奥、記憶の奥までをもくすぐるような はかないようで、その実、力強い香りは 日本の秋を、 この地で私が重ねてきた33回分の秋を、 一瞬にして呼び起こす力を持っているようです。 そんな中、ペダルを漕いでいて はたと、もう一つの圧倒的な秋を思いついてしまいました。 思いつくやいなや、スピードアップで 寄り道街道まっしぐら。 帰宅した私の手には、 これまた あまずっぱい香りを放つ、つやつやの紅玉が! 早速、ジャムを煮て、 ヨーグルトにのせ、マフィンに焼き込み 季節の恵みを堪能しました。 日本の10月は、一年で一番気持ちのよい季節。 そう言えるのではないでしょうか。 爽やかな風と、朝晩のひんやりした空気に ミルクティーもいよいよ美味しくなりました。 友人が送ってくれたYORKSHIRE TEAは、 日本の水とも相性がいいのでしょう、 ティーバッグとは思えないほど、パンチのある濃いお茶が楽しめます。 この一杯で一日を始める今日この頃。 長袖の感触に 新鮮な喜びを覚えたり。 街は今日も、あまい香りに満たされています。 ’洗剤できれいに洗った 皿のように 朝もやに きれいに みがかれた 秋の日々。’ (2005.10.15) |