Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
クリスマスを過ごすには小さな町がいちばんいい、と
わたしは思う。 町の人々は、誰よりもすばやくクリスマスの気分をつかみ、気分を変え、 その魔力にとらえられて生き生きとしてくる。 十二月の第一週までには、 家々のドアにはリースが飾られ、 どの店のウィンドウも、 赤い紙のベルと、きらきら輝く雲母で作った雪片で輝いてくる。 子どもたちは森に行き、 香りの強い常緑樹を引きずって戻ってくる。 女たちはすでに、 忙しくフルーツケーキを焼いたり、 ミンスミートの壜の封を切ったり、 黒ぶどうや山ぶどうのワインの壜を開けたりしている。 都庁舎前広場の大きな木には、 ぴかぴかの銀の飾りとカラー電球がつけられている。 電球は日が落ちるとつけられる。 夕暮れ近くなると、 長老派の教会から、 一年に一度のお祭りのためにクリスマス・キャロルを練習している歌声が聞こえてくる。 町のいたるところでツバキの花が満開になる。 「銀の壜」より トルーマン・カポーティ/著 川本三郎/訳 11月最後のレッスン日、
娘の通うバレエスタジオでは 先生が子供達をツリーの回りに呼び寄せ 1人1つづつオーナメントを飾らせてくださいました。 ピンク、オレンジ、パープル・・・ 淡いパステルカラーのレオタードの女の子たちが 目を輝かせながらツリーを取り囲むそのさまは それ自体がなにか舞台の一場面のような、 愛らしくて、心温まる風景なのでした。 12月最初の週末は、 ツリーを出して フルーツケーキを焼きました。 二日、四日・・・日を追うごとに 味が落ち着き、深みを増します。 クリスマスまで待てない私達は 一切れずつ、毎夜の楽しみに。 どこもかしこも、 今や何でもあり!のクリスマス。 一夜明けたら、一気に迎春ムードに突入。 そんな ちょっぴり都合のい日本の師走が 私は結構好きだったりします。 ツリーのある部屋でフルーツケーキを食べながら 話しているのも年賀状のことだったり。 芳醇なラムの香りが 12月ならではの 心楽しい気ぜわしさを ふんわり包みます。 (2006.12.08) |
34・・・もうすぐ35歳。 腰を据えて考えたり、 えいっ、と決断しなくちゃいけないことも 結構あるよね。 でも立ち止まって考えこむ時間などなくて 目の前のことを懸命にこなしていたら 半年や、一年はあっという間。 それでも、 いつも、いつも自分に問っているんだよね。 自分のこと、家族のこと。 これからのこと。 これでいい? どうする? どうしたい? もうすぐ35歳の私達。 久しぶりの友と 一緒に歩く日本庭園は、紅葉真っ盛り。 とりあえずは 目の前のおちびさん達から目を離さずに お抹茶で一服したり とりもめもないこと、あること、話しをしたり。 お互いの胸にある問いには 答えや、 ましては正解なんてものはないけれど・・・ 今年も うたいたくなるよな一日で本当によかった。 いよいよ寒さが本格的になりますね。 ビタミンC豊富なお抹茶は 風邪対策にもいいかしら。 正式な道具は持っていないので 料理や製菓用に常備している抹茶を ウィロウのシュガーボウルで くいっと一気に。 34歳・・・もうすぐ35歳。 迷い多きお年頃ではあるけれど!? とりあえず、今日も元気に。 (11月30日)
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りんご畑に一歩足を踏み入れると ほのかにあまい香りに包まれます。 見上げると、ぬけるような青空。 「貴婦人」の愛称で親しまれる つよく、たくましく、うつくしいC571に揺られて りんご狩りに行きました。 娘、念願の もぎたてを丸ごとカプリ! リュックいっぱいのりんご。
朝食に、デザートに そのままの味を存分に楽しんで 最後のふたつで ケーキを焼きました。 アップルマフィンに、アップルタルト、 アップルクランブル そして アップルケーキ この秋、4回目のりんごのお菓子。 りんごのお菓子を作ることは 秋の大きな楽しみのひとつです。 ********** りんご園のある土地で汽車を降りたら、 デジャヴのような感覚に・・・ 初めての場所なのに 確かに私はその場所をよく知っているのでした。 誰もいない駅、長くのびる線路、破れかけた時刻表 金色に揺れるすすき、吹き抜けてゆく秋風。 それは、高校生の頃 私自身が書いた物語の風景そのままだったのです。 「ようこそ」 それがその物語のタイトルでした。 文芸部三年間の中で 自分の中では 一番思い入れのある作品でした。 秋の風が私をここに連れてきてくれたのでしょうか。 (2006.11.12) |