Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
1998年 夏。
ソールズベリーのアンティークショップで出会った WEDGWOOD社のウィロウのカップ&ソーサーは 丸みを帯びた温かみのある形と 少しクリーム色がかった白が特徴的。 初めてにして、まさに理想のウィロウに出逢えた思いで購入し 大切に日本に持ち帰りました。 思えば、今、こうしてWillow Journalを綴るきかっけともなった 特別なウィロウです。 その後も、機会あるごとにこのシリーズのウィロウを探してきましたが 見つけることができず、 判ることといえば、 購入時にお店の方にお聞きした「19世紀のもの」ということと カップの裏に記された' Etruria'という文字くらい。 それでも憧れを抱き続けながら 約10年が過ぎようとしていました。 そしてつい先日、時を経て、この日本の地で
同じシリーズのウィロウ達と巡り会うことができたのです。 図書館で偶然に得た情報を辿り 問い合わせたアンティークショップにて 4客一度に、 しかもトリオで。(カップ&ソーサー、ケーキ皿のセット)! 「アンティークは、縁」という言葉をよく聞きますが 今回ほどそれを感じたことはありません。 迷うことなく、4客ほどお譲りいただき このシリーズが5客揃いました。 このシリーズを手がけたのは
ロンドン生まれのHarry Barnard(1862-1933)。 15歳からこの世界で修行を重ね、 1896年にWEDGWOOD社に入社。 後にこのウィロウシリーズを任されることになったそう。 又、カップの裏に記されていたEtruriaは 当時WEDGWOODの工場があった場所だということです。 知識豊富なオーナーの方により 長いこと知り得なかったこのシリーズの背景を教えていただけたのは 嬉しいことでした。 けれども何より幸福だったのは オーナーの方の ご自身が扱っていらっしゃるアンティークに向けられた 愛情のこもった眼差しや 客である私への 終始変わらぬ真心のこもった態度を しみじみと感じられたこと。 探し求めていたウィロウとの再会が こんな形で叶ったことが嬉しくてなりません。 薄く繊細なカップでいただく きりっと澄んだストレートの紅茶も好き。 けれども、のんびりとしたフォルムで こころもち厚みのあるこのEtruriaシリーズには やさしい色と味のミルクティーが 一番似合う気がします。 何杯もおかわりしながら ゆっくりと楽しむ カントリーサイドでのクリームティー、 お茶を淹れたら そんな時間が流れはじめそう・・・・ ハンドルも持ちやすく 道具としてのデザインと使い心地、 その両方が優れていることを実感します。 出会いの地、ソールズベリー。 ソールズベリーと言えばこの立派な大聖堂でしょう、 123mの尖塔は、英国一の高さを誇ります。 (2007.6.5) |
さわやかな夕風が吹き抜ける頃、
保育園、幼稚園、小学校・・・ それぞれの場所で一日を終えて、 なお元気ありあまる子供達が マンションの庭で かくれんぼをする、なわとびをする、自転車に乗る。 一日の終わりまで、まだあと一頑張り。 でも、ちょっとここらで小休止。 ほっとひと息のお母さん達が おしゃべりをする、子供を追いかける、ほおっと空を眺める。 ゆるやかに過ぎていく、 なんてことのないこの時間が好き。 「またね」「また、あした」を何度も繰り返し それでも、なかなか帰ることのできない子供達。 急かしつつも、新たな話題に足が止まる私達。 ようやく部屋に戻ると あらかじめ炊いていたお揚げさんの甘いにおいが おかえり、と迎えてくれた。 カーテンがふくらみ、 窓辺の花も少し微笑む 初夏の午後6時。
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小休止の後は、食事やお風呂など ふたたび慌ただしく過ぎていきます。 全てを終え、ベッドにもぐりこむ至福のひととき、 最近、その時間を共にしてきたのは イギリスの風景についての二冊。 「イギリス的風景〜教養の旅から感性の旅へ」 (中島俊郎・NTT出版) 「キーワードで読む イギリスの田園風景」 (山森芳郎・柊風舎) どちらも読みごたえのある興味深い内容でしたが とりわけ後者は、Lane(田舎道)Footpath(遊歩道)Dale(谷)など イギリスの田園に関することが キーワードごとにまとめられて分かりやすく 新たに知ることが沢山ありました。 (2007.5.28) |
連休の後半、 神戸のダイヤモンドギャラリーで開かれていた 「第9回 すみれ あかね展」を訪れました。 お母さまのすみれさんと、娘さんのあかねさんの母娘展。 今年でもう9回目を迎えられるのだそうです。 あかねさんの絵が好きで、 ずっとメールを通してのおつき合いはありましたが 実際にお会いするのは はじめてです。 ソワソワ、ソワソワ ギャラリーが近づくにつれて 期待が高まり ドキドキ、ドキドキ 鼓動も高鳴ります。 ところが一目お会いした瞬間に、不思議なほどリラックス。 ごく自然な「はじめまして」の後、 穏やかな空気に包まれて 私達家族三人は、あかねさんとお母さまそれぞれの 画風の異なる絵や、それにまつわるお話を 満喫させていただくことができたのでした。 扉や窓、路地裏のお店など 目に留めなければ、流れていってしまいがちな風景の一コマをモチーフに 作品を製作されているあかねさん。 実際に絵の前に立つと 絵に出会った時の感激は増すばかりで ギャラリー内を行きつ、戻りつ。 もっともっと、絵の中を彷徨っていたい・・・ また必ずここに来よう・・・ そんな想いでギャラリーを後にしました。 「あかねさんはね、お花のついたペンを貸してくれたの!」と娘。 練習中のひらがなで 娘自らに記帳させていただいたり、 優しくお話をしてくださったり、 娘にとっても楽しいひとときだった様子。 その夜、ホテルの便箋いっぱいに思い出を描いていました。 同じくバルコニーで何やら描いていた万蔵氏、 ギャラリーを後にした時、 「何か描きたくなってきたなあ・・」などと呟いていたので 一体どんな絵が描けたのかしら、と覗いてみると なんとまあ、ビールを片手にプハ〜っとくつろいでいる自分の姿。 「あ〜、ビールがうまい!!」のセリフつき。 とほほ、です。 とはいえ、まったく絵心のない私は、 それすら描けず。 神戸のもうひとつの思い出、 ざっくりと美味しいパイを頬張るだけなのでした・・・ (2007.5.7) |