Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
散らかった朝のテーブルを片付けながら ふと、手を止める。 今日もまた聞こえてきた。 丘の上の小学校から風にのって流れてくる 朝の合唱。 ベランダに出ると歌声は心持ち大きく、 空は青い。 「きんもくせいのにおいがするよ!」 半時間前に見送った時、 嬉しそうにそうはしゃいでいた娘の声も この歌の中に溶けあっているのだろう。 ああ、嬉しい。 (2008.10.09) |
9月最後の2日間は
冷たい雨が降り続けた。 晩秋を思わせる肌寒さに、あわててカーディガンを羽織ったら まずは、ネットでラジオをオンにして コーヒーをたっぷり注ぐ。 カフェオレボウルがわりのウィロウ、 掌で包むと、温かさが直に伝わってきて嬉しい。 ラジオから流れてくるのは、 メロディー、 ときどきブリティッシュイングリッシュ、 のちメロディー・・・ Classic fmは英国のクラシック音楽専門チャンネルではあるけれど、 ほどよい間隔で ニュースや宣伝、天気予報などが挟まれるので 重すぎない。 (左上の listen live をクリックで聴くことができます) メロディーとブリティシュイングリッシュの関係は 冷たいアイスクリームの合間にいただく、ウエハースみたいな感じ、かな。 こっくりと舌に甘いアイスクリームを堪能した後に、 さくっと軽い歯触りを楽しんだら、 又、次のアイスの一口が より新鮮になるような。 そんなわけで、聴くというより、流すという感じで 今やこの番組はすっかり我が家の空気のようにさえなっている。 明けて翌日、10月の始まりだ。
朝こそぐずついたものの、次第に青空が広がって 午後には気持ちのよい秋の日差しが戻ってきた。 放課後の仲良しさん達、 雨は上がっていても、 もちろん雨靴は一緒に履いていたい! 二人仲良く口ずさみながら ビタミンカラーの雨靴が闊歩する。
早い夕暮れにカーテンをひいたら、 早速、ラジオをオンにして 買ってきたばかりのアイスを手ににんまり。 写真つきのメールで知らせてもらったのは パッケージにブルーウィロウのティーカップが描かれている ハーゲンダッツのイングリッシュミルクティー。 「今日はめっきり寒いです。 でもアイスはいつ食べても美味しいですよね」 ええ、アイスと音楽はいつだって魅惑的、 飽くことはありません! 本格的な秋のはじまりに 甘いアイスと、メロディーと。 (2008.10.2)
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蝉の大合唱に重なるように
突然ゴロゴロと雷の音がした。 見上げると、夏空。 入道雲が白くもくもくとわきあがっている。 私が暢気に雲の輪郭を確かめている間、 子供達は全ての準備を終え、プールサイドに並び いざ、水にはいらんとすの喜びで湧き そして、まさにその直後 プールの中止を言い渡されてしまった。 夏休み中、たった数日しかない小学校の開放プールの日だったのに 雷の注意報が発令されたらしい。 理屈では分かっても 高揚した気持ちをどこに持っていけばいいのか。 まだ割り切れぬ表情の子供達は 同じくらい残念だったに違いない準備係のお母さん達に 一人一杯づつバケツで水をかけてもらって 更衣室に向かっていった。 ゴロゴロゴロと空が鳴る。 プールサイドが静かになると入れ替わりに 体育館から吹奏楽の音合わせが聞こえてきた。 蝉とドレミと、ときどき雷。 娘が着替えを済ませてくる頃には マーチングバンドの練習が始まって 二人してしばらく窓に張り付いてみていると 娘と同じクラスだという男の子が 私たちをじいっと見比べて言った。 「おんなじ顔してる」 帰宅後はくじかれたプール気分を 水風呂で補って クールダウンした後、 簡単なピーチパイを。 義父母が育てた桃をさっと煮てフィリングにした。 サクサクのパイピーチパイの甘さが 口いっぱいに広がる頃には いつの間にかゴロゴロも遠のき 結局、雨は降らなかった。 (2008.802) |