Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
ちょうど一年くらい前に、 テレビで80歳を越えた御夫人がおっしゃっていた。 「私は家のことしかできませんけれど たとえば、遠足だってなんだって 家に帰るために行くようなものでしょう」 御夫妻で菜園を作り、 自らが食べるものを育て、料理し、保存し、 満ち足りた様子で日々を送られているその方の言葉は スーパーで手軽に食材を調達し、 土に触れることのないマンション暮らしの私とは 次元が大きく異なるものだろう。 それでも私は大きく頷ずかずにはいられなかった。 そうよ、そう! 遠足だってなんだって 家に帰るために行くようなものなんだから! たとえそれがほんの数日であっても、 留守から戻り、 また、自分の台所に立つと 新鮮で、しみじみ嬉しくその言葉が蘇ってくる。 旅先の上げ膳据え膳も、 帰省先での母の手料理も 文句なしに美味しくて、有り難い。 でも、それは、自分自身の暮らしが、 帰るべき場所があってこそのことだと思う。 旬のトマトととうもろこしを使ったスープ。
|
おみやげは・・・
瞼の裏に残る太平洋の青と、
小豆色、翡翠色、チョコレ–ト色、白・・・
(2013.8.17)
|