Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
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水無月 雨の日曜日。 はたと思い立ち、閉館前の夢二美術館へ。 友達の誕生日がもうすぐだ。 贈り物に添える文具を選ぼう。 蔓草、どくだみ、あかまんま、柳 ・・・ 普段、スポットライトを浴びることの少ない草花にも 夢二の眼差しは注がれ、 やさしく、すくいあげられている。 包みを抱えて帰宅すると 濡れそぼった庭先に、どくだみの白。 普段、目に留めることなど少ないのに 今日の可憐さたるや・・・ 雨の魔法? まるで留守中にいらしたお客さまのように 楚々と迎えてくれたものだから しばし、立ち止まる。 しばし、声なき立ち話。 ( そして、珈琲を飲みながら、
ぐるぐると頭を巡っているのは 後悔にも似た、この思い。 最後まで迷った文具、 どくだみのデザインを選べばよかったかな・・・ (2016.6月某日) |
娘、中学三年生。 初めて自らが選ぶ「進路」というものを考え 悩める年頃である。
光のあたる所は、人それぞれ。
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今年の6月は、梅雨らしい日が多かった。 引っ越しの日も、曇天。 日中はもってはいたものの いよいよ、妹が去るという時、 ぽつぽつと雨が落ちてきた。 じき日暮れ。 夜から雨が強まる予報だった。 「ほら、少しでもはやく高速に乗らなくちゃ。」 急かすように、そうやって赤い車を送り出した。 雨降ってきてよかった。 雨のせいにできてよかった。 赤い車が角を曲がると、 雨脚が少し強まった。 穢 この土地での三年間の勤務を終えて、 妹がまた戻っていった。 大人になり、それぞれの土地でそれぞれの暮らしのある姉妹が また近くに住まうことができたなんて 神様からのプレゼントみたいなひとときだった。 もう、持つことなどできないと思っていた時間。 なんと贅沢なプレゼントだったことか。 雨と結託してさらりと終わりを告げる他に、 何ができただろう。 雨の季節になる前に二人ででかけた、 瀬戸内ドライブ。 (2016.6月某日) 春からこちら、 飛ぶように日々が過ぎていきます。 とりわけ6月のはやかったこと! 本当に30日間が過ぎたのかどうか・・・ 気がつけば、今日が最終日。 いっぱいいっぱいの毎日。 だからこそ、こしらえたい。 一年間の折り返しの今日、 過ぎた半年の穢れを祓い、 来るべき半年の無病息災を祈っていただく 和菓子「水無月」。 願いを込めて。 (2016.6.30) |