Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
TOKYO SKETCH 小雨の東京駅。 浜離宮庭園の入り口では、 「小さい秋」が出迎えてくれた。 心惹かれる、佇まい。 雨上がりの庭園は、清々しくて どこまでも歩いていけそうな気分になる。 庭園内の船着き場から、水上バスに乗船。 流れゆく東京の街を眺めながら ここには、どんな暮らしがあるのか・・・ さまざまな暮らしの形を想う。 私達のそれとは全く違うものであり 同時にまた、変わらないものでもあるのだろう。 船を降りたら、浅草の賑わい。 早足で歩きながらも、 こんなにかわいい人形焼き、見逃せない。 ざらっと紙袋に詰まった「おやつ感」も、うれし! 限られた時間の中、 歩いて、歩いて たくさんの景色を描き留めて。 思い出のスケッチブックを 今日もまた、眺めている。 (2016.12.01) ”包丁というのは、実はただの鉄の板なんですよ。 研がなければ、包丁にはなりません。 夢というのも、そういうものじゃないですかね。 ただの鉄の板を、研いで、使って 研いで、使って。 そんなことを繰り返すうちに やっと自分ののぞむ刃の角度が見えてくるんです。 それは自分の手を動かして 何度も何度も 砥石で研がなければ 永遠に分からないものです。”# * 娘が15歳の誕生日を迎えました。 思いがけないプレゼントとなったのは、 彼女の絵画がコンクールで大きな賞をいただいたという、嬉しい知らせ。 秋も深まる頃、 表彰式の為、上京する幸運に恵まれました。 15年前、生まれたての娘を腕に産院を退院した時も ちょうど紅葉が見頃でしたが、 表彰式の日も、また。 晴れ渡る青空の下、空気は澄み 木々の葉は色彩豊か、 金色の陽をあびて、目映いばかりの輝きを放っていました。 冒頭に引用した台詞は、 数年前に放送されていたドラマ「ごちそうさん」から。 大正時代の女学校で、先生が“夢”について生徒に語った言葉で、 強く心に残っていました。 ありがたいことに たくさんの祝福で幕を開けることができた、15歳。 この先、娘がどんな夢を掲げ、 どんな道を進むことになったとしても ただひたすらに、自分の手を動かして、 研いで使って、 研いで使って、 自分ののぞむ角度を見つけながら歩んでいけますように・・・ そんなことを思いながら、 落ち葉を踏みしめ、空を仰いだ 晩秋の好日でした。 夢見心地のハレの日が終われば いつも通り、また、地道に日々を重ねていくばかり。 夢の前には、「期末テスト」という現実が 大きく立ちはだかっているのですから、 まずは、腹ごしらえ、腹ごしらえ! 「ごちそうさん」にも登場した ごぼうと豚肉と味噌炒めのおにぎりで、 寝不足な15歳の朝、スタートです。 # 連続テレビ小説「ごちそうさん」より 脚本 森下 佳子 (2016.11.28) |