Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
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今はまだピンとこないかもしれないし 煩わしく感じることさえあるかもしれない。 でも、覚えておいて。 あなた達の前には いつも全身全霊で向きあってくれる先生がいらっしゃったことを。 最後の学活で 涙を流しながら、強く、熱く、 先生が伝えてくださったことを。 春は、あまくて、しょっぱくて。
卒業おめでとう! (2017.3.14) |
リプトン紅茶の 通称「青缶」の色が好き。 青、といっても、緑に近い。 昔の洋館に使われていたような なんともいえない華やかさと、ノスタルジックな質感。 通年、キッチンの棚に大小並んでいるけれど この季節は、特別美しい。 早春の日差しがよく似合う色だ、と思う。 娘の今年の発表会の曲が ブルッフのバイオリンコンチェルトに決まった。 ‘旋律のブルッフ’と言われる所以、 心揺さぶられる旋律が目白押しの、 それはそれは魅力的な曲だ。 それだけに、覚悟は必要だけど 弾ける喜びの方がそれを上回る、 彼女にとってはそんな憧れの曲のようだ。 届いた楽譜の表紙は どこか「青缶」に似ていて 私まで心が弾んだ。 日差しは、少しずつ春めいて。 キッチンにも、楽譜立てにも 「青缶」の華やいだ色がある。 (2016.3.13) |
弥生三月が訪れた。 風に、光に、春の気配を感じる。 小学校と中学校、それぞれの給食献立表を いつものように冷蔵庫に貼りながら こうして二枚の献立表が並ぶのも 今月が最後なのだと、ふと、気づく。 娘はもうすぐ義務教育を終える。 先月は、心落ち着かない受験の月だった。 第一希望校の受験の朝、 娘の好物を弁当箱に詰める。 ここまで来ると、 してあげられることはそれくらいしかない。 背中を見送ると、ため息がもれた。 いよいよ、母にできることなど、 もう残されてはいないのだ。 彼女が大好きな「真田丸」のサントラCDから とりわけ応援歌のように聴いていた「出港! 真田丸」を流すと 涙が滲んできた。 安堵の、(なにはともあれ、体調を崩すことなく本番に臨めることに。) 祈りの、(力を出しきれますように。) そして、武者震いの、(まさに、「いざ、出港!」)涙だったのだろう。 今日も、台所にやってきては、 献立表を確かめる姉弟。 メニューに一喜一憂したり、 なんだか楽しそうに言い合ったり。 こんな景色も、もうすぐ終わるのだと少し寂しくもある。 無事、第一希望校から内定をいただけた娘は 春から少し遠方に通学することになり 生活も大きく変化する。 こうやって、少しずつ少しずつ 小さな船出を繰り返しながら いつか、大海原に漕ぎだしていくのだろう。 母はその度に、 その船出を、喜び、応援していたい。 何度でも、何度でも。 (2017.3.03) |