Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
|
|
耳をすます休日 玄関ホールは、外気より温度が低く 目映いほどの新緑に慣れた目には、仄暗く感じられた。 靴を脱いで、一歩足を踏み入れると 拭き清められた板張りの床が、ひんやり。 清々しさが体中を巡っていく。 「有隣荘」は、大原美術館の創設者 大原孫三郎の別邸として建てられたお屋敷。 大原美術館と川を挟んで建っているこの邸宅を会場に 春の特別公開として「美術に耳をすまして」が開催された。 暖炉のある洋室と、日本庭園が望める和室、 それぞれを舞台に 古今東西、音楽に想を得た美術作品が展示されている。 片絵染で綴られたシューベルトの歌曲「冬の旅」シリーズ(小島悳次郎・作)と シューマン夫妻が描かれた「ロベルト&クララ・シューマン」(棟方志功・作)が忘れ難い。 前者は、民芸による唯一無二の、<冬の旅>。 それは、まるでもうひとつの「楽譜」ともいうべき細やかさで 原曲の音符ひとつひとつが、あるいはその向こうにある景色が ユニークに再構築されているのだった。 一方、床の間の掛け軸に飾られた後者は えも言われぬ至福感が湧きだしてくる泉のよう。 やがて悲劇に向かう二人の、 でも、確かに存在していた幸せの時間。 耳をすませた時間に思いを馳せると ひんやり、あの清々しさが蘇ってくる。 冬の旅の続きに出たくなり、 もう一度、溢れる泉のぬくもりに触れたいと願う。 耳をすませるということは、 心を澄ませるということなのかもしれない。 (2017.5.06) 緑が濃く、深くなり 日差しも強くなってきた。 庭に出るための帽子も 定位置にスタンバイ。 「ウィークエンド・シトロン」は 生地にもアイシングにもレモンを効かせたケーキ。 週末に大切な人と過ごすためのケーキ、ということで こんな名前がついているのだそう。 連休の幕開けは、初夏の陽気。 新生活に奮闘し、 四月を駆け抜けた家族に・・・ (2017.4.29) |