Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
確かに梅雨は明けて、 蝉は鳴きはじめ、 子供達は夏休みに入った。 でも、なんだか気もそぞろ。 このひと月半ほどは、周りの変化も上の空に ただひたすらに、 自分の心を見つめ続けてきた気がする。 環境を変えるには、勇気がいる。 踏み出しかけては、とどまり でも、やっぱり・・・と逡巡する。 そんなことを何度も繰り返しつつ、 ススメ!という心の指令に 従ってみる決心がついた。 だって、もう知っているのだ。 それが分かるほどには、年を重ねてきた。 条件が整うのを待っていたら 「いつか」なんて永遠にやってこない、ってことに! “no attack , no chance” 妹からのメールにも、そう添えてあった。 こうして新しい日々に舵を切った。 これまでと地続きの分野でありながら、 よりchallengingな仕事環境へ! 生活は大きく変化した。 気がつくと、立秋。 既に、虫の音には変化がある。 義父母宅でとれた新鮮なししとうがらしを 小口に刻んでじゃこと一緒に ぴりっと煮詰める。 この時季ならではの惣菜だ。 暦の上では季節は移ろっても まだまだ暑い。 外の暑さよりも、自分の熱量の方が大きい夏なんて いったい、何年ぶりのことだったろう・・・ その驚き。その喜び。 出来上がった総菜をおむすびに混ぜ込んで 大きく、頬張る。 残暑お見舞い申し上げます。 (2017.8.10) |
濡れはしないが、なんとはなしに肌の湿る、霧のような春雨だった。 表に駆け出した少女は、少年の傘を見てはじめて 「あら、雨なのね?」 少年は雨のためよりも、少女が座っている店先を通る恥ずかしさを隠すために、 開いた傘だった。* 娘の宿題のワークに取り上げられていた短編小説に目が留まる。 冒頭で惹きつけられたものの、 全体を読むと、少し不可思議に感じる箇所もあり もう一度読んでみたいと図書館に予約を入れた。 短編集は「目次」をながめているときが一番心躍る、 かもしれない。 色も味も異なる世界が こんなにもぎっしり詰まっているのかと思うとわくわくする。 あたかも、それは薄く砂糖のまぶされた 色とりどりのドロップスのよう。 本編はまだだから、話の詳細は分からない。 それがどのような話なのかは、 うっすら、砂糖の奥に。 “ 朝の爪、弱き器、藤の花と苺、三等待合室・・・” 色や味を想像しつつ 目次をためつすがめつする時間が、楽しい。 *「雨傘」 川端康成 “掌の小説”より (2017.6.24) |
|