Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
たずねられる度に答えは違うだろうから まったく当てにはならないけれど、 好きな作曲家は?と聞かれたら シベリウスは、たいてい三本の指に入っている。 この時期、シベリウスのバイオリンコンチェルト*を聴かない日は ほぼ、ない。 寒いおもてから戻ってきて 身も心も解放された場所で また、白く張りつめた世界に戻っていく。 静謐と情熱が吹きすさぶ冬の嵐に打たれにいく。 12月25日。 仕事終わりに飛び乗った夕暮れのバスで、 学校の冬期講習と部活を終えた娘とばったり。 二人してマフラーをぐるぐる巻いたまま、 冬木立の大学通りを、言葉少なに運ばれる。 刺すような風に肩をすくめて戻ると 息子もちょうど学童から帰ってきて なにはともあれ、熱いお茶。 こんな寒い日は、体を芯から満たさなくては次に進めない。 もはやティータイムの時間ではないけれど、 イブに焼いたホワイトチョコレートのケーキ、切っちゃおう。 2日目のクリスマスケーキは 少し崩れかけてはいても、2日目ならではの美味しさ。 すべてがしっとりなじんで、 熱いお茶と一緒に、凍えた体をじんわりとかしてくれる。 ひと心地ついて、 ため息ついて、 今日もまた、シベリウスの世界に戻りたくなってきた。 * バイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
フィンランドの作曲家 ジャン・シベリウス(1865-1957)が作曲した 唯一のバイオリン協奏曲。 (2017.12.25)
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DECEMBER NOW
夜、ツリーに灯りをともす。
今年は家族それぞれに変化の多い一年で、 12月もまた、駆け足に。 慌ただしく過ぎた一日の終わり、 食器棚に映った灯りに しばし、手が止まる。 万物流転。 常々そう思っているし、 全ては変わっていくからこそいいのだ、と感じている。 でも、だからこそ・・・。 またたく灯りの中で、 変わらずいつもそこに在るBlue Willowに目が留まり、 ある種の感慨がこみ上げてきた。 春夏秋冬。 晴れの日雨の日曇りの日。 涙の日も、笑顔の日も、 なんでもない日も。 変わりゆく毎日にあって 変わらずずっと一緒に在る。 変わりながら続いていく 私達の毎日を容れながら。 ただそのことに、胸打たれ。 (2017.12.24) |
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