Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
娘が17歳の誕生日を迎えました。 部活を終えて帰宅すると 今日も9時過ぎ。 くたくただけど、笑顔は満開。 バースデーケーキには、 リクエストで林檎ケーキを焼きました。 バターとお砂糖でじっくり焼いた林檎が ぎっしり入っています。 中身、ぎっしり! そんな17歳になるといいね。 新生児だった頃の娘の手と、 万蔵氏の手。 いつの間にかというべきか、 やっぱりというべきか、 父親と同じ手を持つ娘になりました。 (2018.11.13) 少しずつ冬の足音が近づいてきた。 風の冷たいこんな日は ぬくもりの色を束ねて 窓辺に小さな陽だまりをつくる。 かわいいお客さんもやってきた 11月のキッチンで。 (2018.11) 図書館が併設されているので 市の公民館をよく利用する。 そこではさまざまな団体やグループが活動をされているが ときおり、素朴でありながら、えもいわれぬ美しい旋律が 聞こえてくることがあった。 古楽と呼ばれる、 ルネサンスやバロック期の音楽を演奏する方達の練習だと知ったのは ずいぶん前のこと。 一度ゆっくり聴いてみたいと思いながらも 演奏会のタイミングをつかめずにいたら、 偶然、会社の同僚が団員だと分かり 初めてその機会を持つことができた。 きっと好きだろう、と娘も誘う。 ♪I am sixteen going on seventeen 「サウンドオブミュージック」の劇中歌、 「もうすぐ17歳」を最近よく口ずさんでいる彼女も、 まさに、もうすぐ17歳。 小学校時代に合唱部員として上演した「サウンドオブミュージック」で 賛美歌を歌って以来、 彼女もまた、惹かれていることを知っていた。 17歳なんて遥か先のことのように思ってたのに・・・ ステージの上には、あの頃、合唱を指導してくださった先生の姿もあった。 先生にしろ、同僚にしろ いろいろな人やことが、 いろいろな形で繋がっているなあ。 そんなことを思いながら、天上の音楽に包まれる。 ラテン語も、ドイツ語も分からない。 演奏されている楽器の名前も知らない。 でも、独特の和声は いつだって、遠く懐かしい場所へ運んでくれる。 聴く、というより、 清らかな衣に纏われているよう。 いつまでもその肌触りに身を委ねていたくなる。 その後の予定があったので、 本編が終わると、アンコールを待つことなく席を立った。 後ろ髪をひかれる思いで ホールから出た瞬間、 息を飲んだ。 目の前、ガラス越しに広がっているのは 夕日にきらめく川面とススキ。 そして、背後からは バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」が流れてきたのだから。 視覚と聴覚、 同時に神様が降りてきてくださった! 二人してしばし立ちすくみ、 その後、そろりそろりと歩きながら、 でも、やはり何度か立ち止まって耳を傾けずにはいられず ロビーで、階段で、 結局、最後までアンコールを聴いた。 街に戻ると、もうすっかりクリスマス仕様。 11月半ばにもならないのにね。 そんなことを言いつつも まだ身体中に響きわっている教会の調べで すっかりこちらもクリスマスモード。 お気に入りの店でお茶を飲み、明日のパンを選んでいたら 「賛美歌、歌いたくなってきた・・・」 焦がれるように、娘が言った。 「帰ったら楽譜探してみようっと。」 (2018.11.11) |