Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
ある日の午後、娘が作ってくれた ハムとチーズとピクルスの サンドウィッチ。 ごくシンプルで、ごく素直。 一口食べたら F.H.ロイスの言葉がふとよぎった。 「正しく為されしもの ささやかなれどすべて尊し」 (2020.1) 睦月も半ば過ぎ。 年末年始に湧いた街も、 今やしんと静かで、すんと寒い。 こういうなんでもない冬の日に 色彩に乏しい街を歩くのも好きだ。 ふらり、書店に立ち寄る。 自分の興味や仕事柄、 英語の参考書の棚を眺めることが多いけれど 今日はある本に目が留まった。 これまで幾度も目にしていたのに なぜか食指が動かなかった一冊。 どうして今日は手にする気になったのか、 立ち読みしながら その気まぐれにただただ感謝することになる。 参考書一冊分の袋をかしゃかしゃ携え 黙々と歩き、考える。 私は、48歳を迎えたばかり。 十分に大人で、十分に年を重ねてきたけれど 目の前にありながら見えていないものが どれほどあるのだろう。 今、手にしている本のように 知っているのに、知らなかったもの。 心を向けたことがないから、 目に入っているのに、見えていないもの。 買い物して、歩いて、考えて、 最後に飲みたくなるのは、やはり珈琲。 その場でいただくこともできるという焙煎所の扉を開け、 馥郁たる香りに包まれるも、 残念、 焙煎作業中につき、その時間のカフェ営業はなしとのこと。 気を取り直して、次を楽しみにするとしよう。 家で淹れる珈琲も美味しい。 それに、次回の冬歩きの目的がまた増えた。 (2020.1) |
2020年の幕開け 近所の神社に初詣に出かけた足で、 そのまま公園まで。 つめたく澄んだ空気を吸い込むたびに 体の底から浄化されるような気がする。 佳き年になりますように、と 空を仰いで。 今年の初オーブンは、カステラ。 きめ細やかに焼きあがり、 玉子色が、傾いた冬陽にあたたかい。 * 今年もBlue Willow Journal を どうぞよろしくお願いいたします。 (2020.1.03) |
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