Blue willow のある食卓
    ーEveryday with Bluewillowーー











    「海つ音」と
    いつかの夏の思い出と。


    *


    17 August  2013


    2013



    おみやげは、
    瞼の裏に残る太平洋の青と、
    足の裏に残る熱い砂浜の記憶。






    小豆色、翡翠色、チョコレ–ト色、白・・・
    夢中になって集めた石。







    ガラス工房での思い出。

    無骨で雑然とした工房は
    工夫とアイデアが詰まった
    さしずめ実験室か、工作室といった具合。
    1200℃に燃える炉があり、冷却庫があり、
    そこで生まれたガラスの作品たちが
    「おばあちゃんの嫁入り道具」だったという箪笥の上で
    愛嬌たっぷりに並んでいた。
    大きな扇風機がぶんぶんと回る工房には
    二匹の猫が気侭に出入りして、
    窓の外の畑には、夏野菜が実っている。








    「小さな」に込められた想いに
    大きな優しさを感じる海辺のガラス工房、
    小さなガラス工房 透千。
    工房のすぐ裏山は、四国八十八ヶ所三十二番札所「禅師峰寺」
    蝉の音に囲まれて石段を登って
    また、大らかに広がる青色に出会う。







    後日、吹きガラス体験で娘が作った
    コップが届けられた。
    あの日の海、そのままの色のコップ。
    もっと買って帰ればよかったね、の
    芋ケンピと一緒に。





    19 July  2014



    昼過ぎて、雲行きがあやしくなった。
    空はかき曇り、風が音をたて
    今にも夕立がやってきそう。
    毎年、そう・・・
    地域の水神祭の日は、いつもこんなふうだ。
    露店だの、子供達の灯籠飾りだの
    準備をされている方達は気を揉まれていることだろう。
    遠くで雷がなる。
    近くで風鈴が鳴る。
    急いで洗濯ものを取り込んだ。
    昨日、終業式を終えるや熱を出した息子は
    眠り続けている。
    また、風鈴が鳴る。








    「海つ音(わたつね)」という名のついた風鈴は
    昨年の夏、高知のガラス工房を訪れた際に購入した。
    やや厚みのあるとろりとしたガラスと
    鳴り子の美しいデザイン、
    手透き和紙の短冊の風情ある佇まい。
    「わた」というのは古語で海という意味なのだそう。
    海辺の工房で揺れる風鈴の、
    軽やかだけど、軽すぎない、
    ほどよい重みがある「音」にも
    心惹かれた。





       

     
     
    中止かも、と思うのに
    ギリギリの時間に雨雲と雷鳴が遠のくのも
    毎年のこと。
    ひとしきり雨に降られたアスファルトを
    西日が照りつける。
    一日たっぷり眠った息子は元気を取り戻し
    お姉ちゃんに手を引かれて祭に出かけていった。
    戻ってきた手の中には
    果実のような、スーパーボール。
    夏休み、初日。
    いつの間にか風は止み、
    風鈴も静かだ。