Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
先日、久しぶりに平日昼前のスーパーに行くことがあった。 3月の下旬、 終業式を前に午前保育なのだろう。 近隣のいろいろな幼稚園から最寄りの店は たくさんの親子連れで賑わっていた。 お母さんたちは買い物を急ぎ、 一方、子供たちは、 制帽の紐を持ってぶんぶん振り回したり、 エスカレーターではしゃいでしかられていたり、 見繕っているお母さんに、ひたすら話しかけていたり。 お腹すいた〜の声も聞こえてくる。 店を出ると、 荷物と子供をのせた満員御礼な自転車が 何台も通り過ぎていった。 どれもこれも、 馴染みのある、親しい風景だった。 でも、それはもう、 ずいぶんと遠い風景なのだった。
いつかの桜の頃。
(2021.4.03) |
庭の一角にフェンスを設置したので 通りからの視線を気にすることなく、 リビングのカーテンを開け放っていられるようになった。 おかげで、日々移り変わっていく庭を 心ゆくまで眺められる。 三月某日。カリンに、蕾。 フェンスは万蔵氏と娘が作ってくれたもので ホームセンターで買ってきた板を組み合わせ、 薄いグレーのペンキを塗って仕上げてある。 これを機に一人がけソファを窓際に動かして 都合上、本棚も移動。 三月某日。 庭、ときどき読書、ときどきモカロール。 先の見えない春も二回目。 筋書きのない日々に右往左往の私たちをよそに 庭は変わらず、季節と共に在る。 三月某日。カリンの花、咲いた! (2021.3.28) 春の嵐の一夜が明けて、 新芽の萌黄色が 朝の陽に初々しい。 「萌黄色」の色鉛筆を 筆箱に一本しのばせていた時期があった。 高校2年生の春のこと。 それは筆記具というより お守りのような存在で 数学も進路も自分のことさえもわからない私は そのころ、よくそうやって、 何かに特別な意味を見出しては 現実から守られたがっていたものだった。 炊きあがった小豆に 砂糖と塩と、感傷も少し。 甘いだけの餡子は、物足りないものね。 お彼岸には少し早いけれど フライングぼた餅、できあがり。 (2021.3.14) |