Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
先日、結婚記念日を迎えました。 ロンドン近郊の町ビーコンズフィールドで式を挙げたのが 1998年の9月21日。 そのちょうど一年後にサイトを立ち上げ、 この「Blue wiIllowのある食卓」というコーナーを始めたのは 更にその二年後のことでした。 ウィロウのある風景が好き。 そんな軽い気持ちでスタートさせたコーナーでしたが 変わらぬひとつのもの(ブルーウィロウ)を通して 変わりゆく日常を書き留めておく、ということには 想像以上の面白さがありました。 振り返ってみると 普通のアルバムには残されていない景色が 違う視点で綴られていましたし、 なにもかもが自由であるよりも 括りがあってこそ見えてくるものがあるということに気づいたりもしました。 さ 結婚の際に、英国で購入してきたウィロウの食器、 ほとんどがファクトリーショップで求めた普段使いですが ディナープレートもサラダボウルもケーキ皿も 一枚も欠けることなく 23年目が経った今も、毎日のように現役です。 それらに、ティーセットや小皿など、 折々に買い足してきたアンティークや古道具などのウィロウも加わり、 一言でウィロウといえども、 実にバラエティー豊かなラインナップ。 そのどれもが、日々の糧と想いを受け止めてくれる頼もしき相棒です。 年月の長さの分、たくさんの思い出も。 これからも大切にして、 Everyday with Blue willowを長く楽しんでいけたらと思っています。 (2021.09.30) 夏じまいのころ 実家から今年も秋芳梨が届き、 庭のカリンも青い実をつけた。 まだ娘がバイオリンを始めたばかりの頃、 弓を持つ右手に どうしても力が入ってしまう癖があった。 力を抜くことは、力を入れることより 難しい。 うん、往々にして。 つい力んで持ってしまう娘に ある日のレッスンで先生がおっしゃった。 「ふわふわのものを思い浮かべてみて」 やわらかく持つということを わかりやすいイメージで伝えてくださろうとしたのだろう。 間髪入れずに、 「シフォンケーキ!」と娘。 卵白の力でふわっふわに焼き上げる シフォンケーキは 私が学生だった1990年代にブームだったと記憶している。 母親世代の先生には 馴染みの薄いものだったのだろう。 一瞬、ハテナ?の表情をされた先生は それでも楽譜にこう書いてくださった。 「シホンケーキのようにやわらかく」 初秋の「シホンケーキ」には スパイスを効かせて。 香りと季節が 重なりあう長月の夜。 今朝は肌寒くて長袖で登校した息子なのに 帰ってきたら、やっぱり聴いてる、 山下達郎の「RIDE ON TIME」。 夏の盛りから、ずっとこれ。 コロナだの雨だのに閉じ込められ 行き先もできることも限られた夏だったけれど 開放的な旋律と伸びやかな歌声が いつも心を陽のあたる場所に連れ出してくれた。 初リリースは40年以上も前というのに 色あせないどころか 聴くたびに新鮮な喜びが広がる 驚くべき曲。 「好きすぎる!」と娘も歌いだすから、 遠くなった夏空に もう一度、会いたくなった。 (2021.9.15) |