Bluewillow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
春、満開。 新しい出会いの季節。 英文科に入り、「英文学史」なるものを履修するならば この時期に必ず出会うのが チョーサーの「カンタベリー物語」だ。 英語という言語も、英文学の形式も 今とは異なる、中世の作品。 よって、たいてい文学史の第一章に紹介され 学生は必ずといってよいほど 作品の「序歌」にあたる部分をまず読むことになる。 「あの4月が甘い通り雨で 3月の乾きを根本までうるおし、 その液体で葉脈のすみずみまでひたすと その力で花が生み出される。」※ 春の陽気の中で出会った「序歌」に想いを馳せていると タイムリーになことに、 週末の新聞にカンタベリーの記事。 カンタベリーは英国南東部の町。 英国国教会の総本山で 世界遺産にもなっているカンタベリー大聖堂が町の中心だ。 観光地の賑わいと、聖地の敬虔さと。 実のところ、「カンタベリー物語」 麗しき「序歌」に導かれて読み進めると そこはもう、しっちゃかめっちゃか、 ドタバタ、ゴタゴタの人間劇場なのです。 古の物語を紐解く面白さの一つは 現在との大きな隔たりを知ると同時に、 何百年経っても私たち、案外変わっていないのね、と 突きつけられちゃうことでしょうか。 人間って! ※ 「イギリス文学史」 (川崎寿彦・著) 成美堂より (2022.4.25) お花見日和の日曜日だけど 今日は静かに過ごしたい。 庭で、一服。 (2022.4.03) |
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