Bluewillow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
闘病中だった母を初夏に見送って 少しずつ落ち着いてきた10月。 秋晴れの週末に、 父と妹と三人で 山口市の瑠璃光寺を訪れました。 もちろん、どこまで何をしたとしても 心残りはあるでしょう。 悲しみも薄まることはありません。 それでも、最期まで母の希望の形で過ごせるように 家族で力を尽くしたこと、 今はもう母が苦しい思いをすることなく 穏やかに眠っていられることへの安堵感が大きいこと、 そんな理由から 私はその後、想像していたよりもずっとスムーズに 日常生活に戻っていけたように思っていました。 でも、最近、気がついたのです。 もしかして、私は母がいなくなってしまったことを どこかでまだ信じられていないだけなのかもしれない、と。 でも、それならそれでいいのです。 母はここにはいないけれど、母は確かにいてくれる。 そういうことです。 実家のアルバムに昔、瑠璃光寺で撮った 母と幼い私の写真がありました。 五重塔の佇まいに 悠久の時の流れと、人の生命の儚さと さまざまな思いが巡ります。 母が持っていた沢山の萩焼の器は 私が受け継ぐことになりました。 あらためて眺めてみると 萩焼独特のこの質感、どこか母の雰囲気と重なるのです。 母の萩焼と、私のウィロウ、 これからは混ざりあって、 一緒に時を刻んでゆくのだと思います。 (2022.11.6) |
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