Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
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JULY DIARY 7月某日 2020年の冬、 東京都美術館で開催中だった「ハンマースホイ展」は コロナの猛威につき、会期中に中止となった。 用意されていた図録はネット販売が行われ ハンマースホイの静謐な筆致からイメージされる ベージュ、グレー、そしてブルーの3色のマットも 同時に販売された。 展覧会の為に上京まで考えていた私は くじかれた思いをくすぶらせながら ブルーのマットを購入した。 何か記念になるものを買うことで、 気持ちの埋め合わせをしたようなものだったけれど 今となっては、なかなかよい買い物だったと思う。 マットを広げると、 ハンマースホイの静けさが広がる。 スモーキーなブルーもよい。 すっかり、夏の朝の定番だ。 今朝は、ヴィシソワーズとシナモントーストを。 7月某日 「JAZZ」 だなんて名乗ってるものだから こんな季節に林檎なぞ買ってしまう。 煮上がった林檎は すでに日差しと思い出が凝縮された 夏の終わりのような飴色をしていた。 7月某日 息子、14歳。 金曜日に終業式を終えて、 土曜日の朝一の便で ひとり、東京へ。 あたためてきた夢を叶え、 姉や、転校した友人との再会も果たした 特別な二日間。 夏空に祝福された機窓からの風景に 何を感じ、思ったのか。 帰ってきてからも 彼はまだずっと旅の途上にいるようだ。 7月某日 定期的にやってくる仕事の山場、 それは徐々にハードさを加速させながら 締切日まで約1週間続く。 なるべく平穏に乗り切る為の術、ふたつ。 まずは、小説と並走すること。 実際、期間中は本を読む余裕はほとんどないのだけれど 一日のうち、ほんの数分、たった数行でもいい、 小説の世界に入ることで 仕事でいっぱいいっぱいになることをかろうじて回避できる。 また、仕事は分かりやすくは進んでいかないので 読めば確実に進んでいくということが 単純に嬉しく、心安かったりもする。 昨日は10ページ目だったのに、今日は13ページ目に。 昨日泣いていた主人公が、今日は笑っている。 その、確実な進捗。 二つ目は、ケーキを焼いておくこと。 疲れ切った体が何か甘いものを欲しても 帰りにはコンビニにさえ寄る気力も残っていないことが多いから 先手必勝で。 締切までに、何度も何度も自分の限界を超える。 そして、ようやくゴールを切る頃には 頭も体も使い切って疲れ果ててはいるけれど 同時に、突き抜けた感があり、 それが気持ちよくもある。 今月は、10代の女の子たちの夏物語に並走してもらった。 |
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