Blue willow のある食卓
    ーEveryday with Bluewillowーー








    「勝っても負けても春なのです」
    KENWOODの広告だったと記憶していますが
    そんなコピーがありました。
    私が高校受験をした春のことでしたから
    もうずいぶんと昔のことです。




    落ちたら最後!
    の悲壮感で直前の追い込みをしている身には
    なぐさめのようであり、
    きれいごとのようにも思えたものでしたが
    心に留まるコピーでした。




    受験に合格することが勝つことで
    落ちるのは負けること。
    本当はそんな単純なことではないし、
    もちろんそんなことは百も承知。
    それでもあえて、それを勝ち負けと表現するならば
    私は勝った春も、
    負けた春も知っていて
    それから何十年も経った今でも
    春になるとこのコピーをしみじみと思い出します。












    深呼吸したくなる4月の朝。
    バスを待っていると、楽しそうな笑い声。
    自転車に乗って通り過ぎていった中学生たちは
    つい先月まで息子が着ていた制服を着ていました。
    どんなときも季節は巡る。
    空は青く、緑はやわらか。
    勝っても負けても、春
    なんだなあ。













    どんな季節も朝のコーヒーは欠かせないけれど
    春の朝の一杯には
    その清々しい空気をもブレンドしたような
    喜びがあります。
    すうっと体に染み入り、余韻軽やか。
    カップの中に、木々の緑がゆらめいています。





    (2025.4.18)