Blue Willow のある食卓 vol.21
どんなものと合わせても
いつも新鮮な驚きをくれるブルーウィロウ。
はっとさせられる瞬間を
暮らしの中から切りとって。
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外はあいにくの雨だけど、弾む気持ちでお寿司の具を煮ています。 お砂糖と醤油の甘辛いにおいが、 次第に濃くなってゆくにつれて ウィロウの鉢に、味のしみた具が並んでゆきます。 3月3日、おひな祭りの日。 嬉しいことががありました。 万蔵氏の作品が‘あかりコンテスト’で入選したのです。 応募してみようかな・・・と、アイデア画を見せてもらった時から 初めての点灯!と、家族でわくわくとスウィッチを入れるまで、 彼が仕事から戻り、深夜まで、少しずつ作品を制作する姿を見ていましたから その嬉しさは、ひときわ。 倉敷をイメージした灯り、という応募規定に沿い かの街の白壁を思わせる、和風の佇まい。 灯りをともすと、もれくる光の表情がどの角度から見ても異なり 幽玄で、雰囲気のあるものです。 残念ながら、上位入賞は叶いませんでしたが それでも、3月12日〜21日に倉敷で行われるくらしきstar light avenue期間中 それは、他の入選作品と共に倉敷の街に展示されるとのことですから いろんな灯りとの共演をとても楽しみにしています。 今回、制作過程を見ていて 私は大きなことを学んだ気がします。 最終的に彼は 発泡スチロールとモデリングペーストだけで 作品を仕上げました。 アイデアの段階でいくつもでていた案の作品は もっと複雑で、凝っていて、ゆえに立派に仕上がりそうでしたから 当初 私は、無理をしてでも、 そちらを目指せばいいのに、と考えていました。 けれども、彼はちゃんと知っていたのです。 実際に作業ができるのは、深夜のほんの数時間。 それも、本来の仕事をこなしながら・・・ですから そう簡単に時間がとれるものでもありません。 その上、そんな時間にマンションの一室で、大きな音をたてて作るわけにもいかないので 自ずと、作業の幅も狭まります。 又、道具や材料は、お金をかければ調達することも可能ではあるけれど 身近なもので工夫して、 そこから何かを創り上げることも面白いのではないかということを。 そういう全てを考慮して取りかかったと知りつつも、 はじめ、彼が選んだ発泡スチロールという素材は、 なんとも頼りなげに映りました。 私は何度か身勝手に意見したと思います。 けれども、彼は黙々とそれを切り、組み合わせ、ペーストを塗り、 短期間で、もちろん音も立てず、低コストにて 作品に仕上げていったのでした。 仕上がった灯りの、想像以上の美しさを目にしたとき ‘あらゆる状況を加味して、できる状況の中で、ベストのものを目指す。’ 私は、彼のそんな姿勢を素敵だな、と思うようになっていました。 それは、実際、何より私には欠けているところだったからです。 後でしわ寄せがくるような無理を重ねてまでも 私はいつも、自分の中の一番を通さないと気が済まないところがあります。 そんな性格ゆえに、これまでにいくつもの失敗をしてきたというのに 今なお、そういう部分はなかなか直りません。 all or nothing 仮に、私がこのコンテストにエントリーしようと アイデアを思いついたとしたら どうかしら、と考えてみます。 きっと、何かを犠牲にしてまでも 徹底的に時間とお金をつぎ込んで、自己満足を満たしたか、 そうでなければ、この材料でできないなら、作らない。 この条件だったら、私には無理だ。 そんな風に諦めていたことでしょう。 まさに、all or nothing 今回、限られた条件の下、 よりいいものを創り出そうとする彼を見て all とnothingのあいだには、いくつもの可能性があり、選択肢があること。 自分次第で、工夫次第で、そこから生まれるものも多くあること。 そんなことの素晴らしさをあらためて感じました。 自分の置かれた状況を言い訳にしたり 些細なこだわりを理由にすることで そのあいだの可能性をつみ取ってしまうのは、もったいない! 自分に言い聞かせている私です。
嬉しいことは、もうひとつ。 プリスクールに通い始めて ちょうどひと月。 いつも登園時には涙を流していた娘が 突然、 3月に入るやいなや、本当に 急に にっこり笑顔でクラスに入ってゆくようになったのです。 これは本当に嬉しいことでした。 というのも、2月に入園したものの 後半の2週間は、インフルエンザにかかり欠席せざるをえなかったからです。 健診と予防接種以外、病院には行ったことがないほど 頑丈なだけが取り柄な娘ですが どうしても、毎年 インフルエンザにはかかってしまいます。 前回、病院にかかったのも1年前で インフルエンザが原因でした。 今年は、プリスクールも始まり できるだけペースを崩さずにゆきたい、と 予防にも気を配ってきたというのに ようやく慣れかけてきた・・・というところでの発症。 しかも、娘が元気になったと思ったら 今度は私にまでうつってしまい、情けないことにそれが長引いたものだから 計、2週間も 欠席をすることになってしまったのです。 涙、涙で、最初の2週間を乗り切ったと思ったら 2週間のブランク。 振り出しに戻っちゃったなあ・・・と気が重かっただけに 復帰してすぐ、 笑顔で登園するようになった娘の姿を見るのは 本当に嬉しいものでした。 後になったら、笑って話せるようなたわいもないことなのでしょうけれど やはり、目の前で涙ぐむ我が子に背を向けて帰るというのは まだまだ新免マークの母親には、 身を切られるようなつらさが伴い 送り出す朝は、私までいつも心がこわばってしまうのです。 ですから、どんなにほっとしたことでしょう! 少しばかり、頼もしくなった娘を見て 「子供って、意外とタフですよ」 Pub(掲示板)でそう声をかけてくださった方の言葉を あらためて、噛みしめました。 娘の笑顔は、まだまだ本物ではありません。 もちろん当初のような、怯えた様子はもうありませんが まだまだ緊張していて、 それを彼女なりにぎこちない笑顔で乗り切ろうとしているのが 痛いほど伝わってきます。 それはそれで、いじらしく切ない。 それでも、そうやって今、彼女は壁を破ろうとしているし それは 進歩の一段階と言えるでしょう。 彼女の中の、そんなタフネスを 大きく見守ってあげなくては。 ’そうですよね、子供ってタフですよね’ 遠く、アイルランドの地で 彼女もこうやってちらし寿司を作っていらっしゃるかしら・・・ この甘辛いにおいが 海の向こうでも しあわせに漂っているかしら・・・ さあ、具の用意はできたし、そろそろお迎えの時間。 今日は、どんな顔で出て来るかな。 帰りには、桃の花を買いに寄ってゆこう! (2005.3.3) |