Blue Willow のある食卓 vol.41
どんなものと合わせても
いつも新鮮な驚きをくれるブルーウィロウ。
はっとさせられる瞬間を
暮らしの中から切りとって。
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長い間、気になりつつも なかなか読む機会のなかった 「ドロシー・ワーズワースの日記」を読みました。 きっかけは、英国、湖水地方より届いた両親からの葉書。
ドロシー・ワーズワースは 英国ロマン派を代表する詩人ウィリアム・ワーズワース(1770〜1850)の妹。 ドロシーは兄と暮らしを共にして詩作を見守りながら 身の回りの世話をしたり、散策にお供したり。 これは、そんな日常の記録です。 ウィリアムの創作におけるドロシーの存在や。その影響は大きく 文学史の立場から見ると この日記も資料として価値があるもののようです。 けれども気儘にページをめくるそれは おおむね‘お散歩日記’。 彼らと共にめぐる四季折々の、朝な夕なの湖水地方は 両親の綴る、あるいは語ってくれるその印象と重なって 私を魅了します。
たとえば1800年、 今から207年前の8月の日記はこんな風。 22日 土曜日 午前中とてもよく晴れていた。 兄さんは午前中ずっと詩作にふけっておられた。 私はエンドウの皮をむいたり、ソラマメを取り入れたり、 12時半まで庭で仕事。 それから兄さんと森を散歩。 陽が照りわたり、木々はさやいで枝々を光らせ 湖も晴れわたっていつになく輝いていた。 昼食のあとアンブルサイドへ行き-俄か雨にあったが- パートリッジ家を見に行った。 クラッパーズゲートを通って帰った。 ライダルの森を通るつもりだったが、寒くなり- 私は疲れて気分がすぐれなかったのだ。 帰ると早速お茶にし、暖炉に火を入れた。<以下、略> 「ドロシーワーズワースの日記」より メアリ・ムアマン 編 藤井やすこ 訳 (海鳥社)
「兄さんはショウガ入りパンがお気に入り」 なんていう記述も日記には残されています。 きっと‘Gingerbread’のことでしょう。 Breadと言えども、それはいわゆるパンではなく トレイで大きく焼いたり、型抜きしたりして作る 家庭的な焼き菓子。 今も皆に愛されているもののひとつです。 大の紅茶好きでもあったワーズワース。 ロンドンのトワイニング社には 湖水地方から届いた注文書が今も残っているそうですが お取り寄せの!?紅茶と 好物のGingerbreadで 創作活動のスランプも乗り越えたのかな・・・なんて考えながら 真夏のティータイム。 英国ではティーといえば、熱い紅茶。 アイスティーはあまり飲まれませんが 猛暑の日本では、冷たい紅茶が有り難い! 大きなポットで作る水出し紅茶がまたたく間になくなります。
薔薇のきれいな6月に英国を訪れた両親。
Dove cottageの外壁もご覧の通り、見事です。 花を育てることが好きな母は 英国の花がこんなに色鮮やかに見えるのは 澄んだ空気のせいかしら・・・ 何度もそう言っていました。 ロンドンのキューガーデン(王立植物園)にも行ったそうですが そういう場所でより、 民家の庭先や草原に咲く花々の方が英国らしく、心に残ったと話していたのが 印象的でした。 *風景写真は全て父が撮影したものを拝借しました* 上)Rydal MountからDove Cottageへ向かう道からの眺め。 両親も一時間弱かけてこの道を歩いたそうです。 中)Rydal Mount -1813〜1850年に暮らした晩年の家 庭の一部は彼自身が設計したとのこと。 下)Dove Cottage-1799〜1808年暮らした家 ここで多くの作品が生まれました。 (2007.8.18) |