Blue Willow のある食卓 vol.52
どんなものと合わせても
いつも新鮮な驚きをくれるブルーウィロウ。
はっとさせられる瞬間を
暮らしの中から切りとって。
|
|
広島のベーカリー、Baps&Bunsさんのショートブレッドを 初めて口にした時の驚きは、忘れられません。 ショートブレッドは、英国伝統の焼き菓子。 バターがたっぷり入り、 ずっしりと食べごたえのあるものが多いのですが こちらのショートブレッドは しっとりきめ細やかで、口溶けのよい やさしいやさしいお味。 甘さもほどよく、重すぎず、本当に美味しいのです! うっすらとお砂糖のまぶされた丸い形も、 シンプルなパッケージも 余分なものは なにひとつなく、 ただただ、このお菓子の美味しさがまっすぐに届くように 丁寧に作られたことが伝わってきます。 飾り気のない、 いえ、飾りのいらない逸品。 お店に頻繁に行くことはできませんが 是非、この機会に・・・ 是非、この方に・・・ という特別な時には、ここぞとばかり注文をお願いしてきました。 気持ちを込めたい、という 送り手の想いも代弁してくれそうな 特別なお菓子。 先日も出産前後にお世話になった方々に、 内祝いに添えて贈らせてもらいました。 大切な時、大切な人には これからもこのショートブレッドを贈り続けるだろうと思います。
以前、中野あかねさんの個展へ伺った時にも このショートブレッドをおみやげにしたら 後日、こんな素敵な絵を送ってくださいました。 *Baps& Bunsさんのショートブレッドはこちらでお取り寄せできます。 Baps & Buns *Baps & Bunsについては、 以前、こちらの本に取材記事を書かせていただいています。 英国特集 第4号 (2010.3.11) |
冬青(そよご)とは、 冬に赤い実をつけるモチノキ科の木。 風にそよそよとそよぐ葉音から そう名付けられたのだとか。 それにしても冬に青で、そよごとは 目にも、耳にも なんと趣のある名前なのでしょう。 今年の年末年始は 出産のため病院で過ごしました。 恒例のカウントダウンコンサートや 厚い新聞とも無縁のお正月。 新型インフルエンザの為に面会も制限された産科のフロアは、 皆が賑やかに新年を祝っていることなど 別世界のことのよう。 真白い綿の産着に包まれた新生児達の あまいにおいと、力強い泣き声と・・ 生まれたての我が子を腕に見上げると 窓の外には冬の青空が広がっているのでした。 8年ぶりの出産でした。 陣痛は痛みというより、重み。 文字通り約3000gの命の重さです。 夜が更けると共に、 少しずつ増してくるその重みを受け止め 元気な産声が聞こえたのは 夜明け少し前のことでした。 「きょう ままがにゅういんしたよ (あかちゃんがいる) さみしいよ 四人かぞくたのしみ」 退院後、娘の枕元に置いてあるメモ帳に そう記されていることに気がつきました。 予定より早く、 急に私が入院することになった夜に書いたものなのでしょう。 ほとんど平仮名で殴り書きされた 母親不在の不安と、新しい家族への期待・・・ 8歳の小さな心の揺れを思うと、 まぶたの奥がじんと熱くなりました。 四人家族になって、約一ヶ月半。 娘はお姉さん風をぴゅうぴゅう吹かせて 小さな弟のお世話に余念ありません。 まだまだ寒い毎日ではあるけれど 冬青の蜂蜜をトーストにのせる朝の空には 少しずつ春の色も加わってきました。 もうしばらくは、 寝不足の目を擦りながら 赤ちゃんとの冬籠りの生活にまどろんでいたいと思いつつ・・・ (2010.2.11) |