Blue Willow のある食卓 vol.53
どんなものと合わせても
いつも新鮮な驚きをくれるブルーウィロウ。
はっとさせられる瞬間を
暮らしの中から切りとって。
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天井が傾いでいるから、屋根裏なのでしょうか。 こじんまりとして どことなく隠れ家風。 好きな本、大切なお人形、お気に入りの絵があって 小さくとも窓もある。 ささやかなれど、自分の世界。 子供の頃憧れたのは 確かこんな部屋だった。 Uri Shulevitsの「Rain Rain Rivers」の始まりのページ、 ベッドの上で膝を抱えている女の子は くつろいで満ち足りた表情をしています。 窓ガラスには雨水がしたたり、 雨音が屋根をたたいています。 静かで、薄暗く、どこか心もとなく、所在なく。 それでいて水のべールに包まれて、 心も守られているような雨の日。 こんな部屋で膝を抱えていられるのなら、 なおさら。 そう、雨の日は小さな自分の世界を より一層、完全で色濃いものにしてくれるものでした。
桜も散ったのに、肌寒くて雨の多い今年の春。 焼きたてのバナナチョコマフィンは 生地の中でバナナもチョコレートもとろっととろけて ミルクティーと一緒にいただくと あたたかな甘さが お腹の底から満ちわたっていく感じ。 どこもかしこも雨に煙ったような色彩の絵本で 遠い日々にトリップしながら ミルクティーをカップにたっぷり、 もう一杯。 It is raining outside. I can hear it. *「Rain Rain Rivers」by Uri Shulevitz (Farrar,Straus and Giroux) 同じ作者の「Snow」も 独特の風合いの叙情性が魅力です。 (2010.4.20) |
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花冷えの午後、
縦書きの便箋一枚、 ぎっしりとしたためられた手紙には 子育て中の私に向けられた言葉の後、 こんな文章が続いていました。 「私も8人のひ孫に恵まれて 日々、おだやかな人生を送っております。 人生は楽しいものですネ。」 祖父に先立たれ、一時は元気もなかった祖母ですが 90歳を前にした 「人生は楽しいものですね」に、 こちらの心にも 勇気づけられたような明るさが灯るのです。 (2010.04.12) |