冬時間
ひかりの手触り
朝が来て、 お日さまがシーツの上に絵を描いた。 くっきりと 光と影の織りなす絵。 まだ歩くことさえできない小さな女の子が ゆっくりと手を伸ばし その絵に触れてみる。 確かにそこに絵はあるのに 指先には いつものシーツの感触だけ。 不思議そうに、 それでも諦めることなく、 飽くことなく、 女の子は 何度も何度も触ってみる。 光の手触りを確かめようと 手を伸ばし続けている。
明るい5月の朝のこと。
(2002 5.27)