冬時間
冬便り2006
この冬は久しぶりに、ストーブを出しました。
火のあたたかさは、偉大。
しんしんと冷える夜も、
その力強いぬくもりに救われました。
たいてい薬缶をかけておいて、
いつでも熱いお湯が沸いているということも
なにかしら、心安いものでした。
気がつくと、ぼんやりと、ただ ぼんやりと
炎を見つめていたりして。
娘が、プリスクールに通い始めて
一年が経ちました。
昨年二月、大号泣しながら
はじめて、私の手から離れた日。
迎えにいくと 彼女は教室の片隅で
なんと、眠っていたのでした。
泣いて、泣いて、泣いて
緊張と不安がピークに達して
ついには、疲れ果ててしまった様子。
その姿を見たときの気持ちを、私は忘れることができません。
あれから一年。
いろんなことがありました。
ようやく慣れてきた夏以降、
ランチやお昼寝もある午後保育に切り替えてからが 第2関門。
激しい揺り返しがあり、本人も私もつらい時期でした。
けれども、それを乗り越えてから、
彼女は、明らかに変わりました。
積極性、好奇心、挑戦するきもち。
それは、親の私達でさえ驚くほどです。
そして私は「待ってあげること」を知りました。
子供は変わってゆくのだということ、
時間はかかってもいいのだということ、
目の前の障害物を取り除いてあげるのではなく、
どうやったら、自分の力でそれをクリアできるのかを
いろんな角度から応援してあげるということ。
学校の先生、スタッフ、お友達のお母さん達、それから万蔵氏。
みんなに、教えられ、励まされ、私は知ったのでした。
今でも、見送り時はちょっぴり緊張気味の彼女。
けれども、一歩クラスに入れば
大好きな先生がいて、お友達がいる。
お迎え時はいつも、「まだ、帰らない!」と
園庭を駆け回っています。
プリスクール二年目は始まったばかりです。
和菓子屋の店先にそれを見つけた時は、
思わず立ち止まって、見とれてしまうほどでした。
茶色と黒、そのシックな色づかいと大胆な模様は
どこか北欧のデザインに通じるものも感じます。
「箱だけ、下さい!」
そう言えたらなあ。
いくら私でも、箱の為だけに購入するには、
ちょっとしたお値段。
でも、こんな時の私、
往生際が 相当ワルイ。
あれこれ必死に考えを巡らせるのです。
果たして、数日後。
晴れやかに、いえ、ちゃっかりとそれを手にする私がいます。
後ろめたい思いをせずに「箱」を手に入れたくて
考えたのでした。
そう、これはずっと探していた年賀状入れに最適ではないですか。
箱も手に入り、年賀状の整理もでき、一石二鳥。
因みに、中身は最中でした。
最中も好きだから、なお良し・・・・
なんて、やっぱり調子がよすぎるかしら?
‘子どもと家族と暮らしを楽しむ、気持ちのいいもの、大好きなもの。
ほんのちょっとの手間と工夫、
母の気持ちをカタチにしたら、世界でひとつのとっておき’
おかやま・楽しい子育て情報誌「ももちゃいるど」春号vol.22より
上記のコンセプトでのページ作りに参加させていただくことになりました。
1971年生まれの3人が作成するこのコーナー。
1人が企画、構成、
1人が、文章と作品作成。
そして、私は撮影を担当しています。
昨年末より3人で、時には子供達も一緒に集まっては
少しずつ、少しずつ 話し合い、作業を重ねて、
ようやく完成。
3人のイメージがぴたりと紙面に刷り上がっています。
岡山県内の図書館、児童館、公民館、保険センターなどで
無料配布中。
これから1年間、4回の連載となります。
今回のテーマは「食べる、はぐくむ」
県内の方は、機会がありましたら是非、お手にとってご覧くださいね。
そろそろ厚いコートを脱いで
軽やかで新しい色を纏いたい。
そんな気分で、大きく伸びをした
義父母のキャベツ畑。
雨粒がきらきらと弾けます。
二月最後の日曜日に。
(2006.2.28)