冬時間
葉書の重さ
華やぎの12月。
足取り軽く帰宅して
ポストの中に一枚の喪中葉書を見つけた。
裏返して、息をのむ。
享年 6歳。
直接私が知っている方ではなかった。
それでも毎年、
両親が送ってくださる年賀状でそのお嬢さんと会ってきた。
色の白いかわいらしい女の子だった。
来年も、さ来年も、その次も
年賀状で成長した彼女と会える。
そんな気がしていた。
欧米のクリスマスは、イエスの誕生を祝うと同時に
今年もまた元気に一年が送れたことへの感謝の日だとも
聞いたことがある。
ゆえに家族が集い、喜びを共有するのだと。
今、ここに自分が居て
家族が居る。
クリスマスを迎え、新しい年を迎えられる。
あたりまえのことなど、なにひとつないのだ。
なにひとつ。
一枚の葉書の重さを持て余し
おもてでは
早々と日が暮れていく。
(2010.12.12)