冬時間
上履きを洗う
小学生の頃、
憂鬱だったのは 上履き洗い。
毎週土曜日 汚れた上履きを持ち帰り
庭の蛇口なり 浴室なりで
かがみこんで洗うのだけれど
ものぐさな性分ゆえに
とても面倒で、気乗りしないことこの上なかった。
今、私は毎週
嬉々として・・・とまではいかなくとも
案外楽しく娘の上履きを洗っている。
上履きの汚れなど、そうひどいものではないから
一週間分の汚れなど
たいした労もなくおちる。
時に頑固な汚れがあっても
しっかりこすれば たいていとれるし
そういう汚れをおとしている時の、
どこか無心な境地も快い。
洗い流した上履きは
乾くと 更にさっぱりとして
それがまた、気持ちいい。
白い上履きに 少しずつ汚れがたまるように
日々、心の中にも淀みが溜まっていく。
汚れをリセットできる靴と違い、
ブラシや洗剤の力でどうにかなるほど
時として それは単純ではないから、
もやもやと、自分をもてあます。
その気持ちをそのまま次の週まで持ち越して
落ち込むことも、ある。
ああ、週の終わりに 一新
すっきりできたらどんなに気持ちいいだろう・・
せめて週明けくらい、
また真っ白な気持ちで始めることができたなら・・
だからかな、
洗えば洗うだけ きちんときれいになる靴に
どこか救われる気がして
今週もまた私は、無心に上履きを洗っているのかもしれない。
(2007.7.14)