冬時間
冬から春へ 2007
*縁(えん)*
「今月の元日、寺に集まった人々に「因縁」について説いた。
日々努力をしていれば、縁が訪れた時それを結び、
また次の縁につなげることができる。
自分もまた、曲がり角で出会った人との因縁に導かれるように
歩いてきたと感じている。」
僧侶・日本庭園デザイナー
桝野 俊明
朝日新聞 be on Saturday 2007.2.10版より
長いあいだ、私なりに細々と続けてきたことが
このところ、
ひとつ、ふたつと形を成してきたと感じてます。
そして、それは自分の力というよりも
まさに、「縁が結ばれたゆえ」という思いがするのです。
人々との出会いや、事の展開に
確かに「縁」を感じるのです。
本当にありがたいことです。
これを次の縁につなげることができるようになるかは、
自分次第ということなのでしょう。
日々、努めるのみです。
*The Littlest Matryoshka*
誕生日を控えた週末、立ち寄った書店で、
小さく、小さくロシア作品のフェアをしていました。
表紙に描かれたかわいらしいマトリョーシカに惹かれて
手に取ったのが「The Littlest Matryoshka」
パラパラとめくってみると
優しくて心温まる、お話と挿絵。
すっかり気に入って
いくつか並べてあった本物のマトリョーシカ人形の中で、
物語と全く同じデザインのものを添えて
誕生日のプレゼントにしてもらいました。
寒い冬の夜、おやすみ前に何度も娘と読んだ
今や、大切な一冊です。
そういえば、
音楽教室に通っていた幼稚園児の頃、
ロシア民謡の「トロイカ」に、特別な感情を抱いていました。
ただ単純に「好き」というわけではなく、
明快には説明できないのだけれど
なぜか心の奥で「惹かれる」というものがあることを
哀愁を帯びたメロディーや
楽譜に添えられていた‘雪の白樺並木’の挿絵を通して
幼い私は知ったのかもしれません。
http://www.corinnedemas.com/books/matryoshka.htm
*倉敷春宵灯り*
倉敷の町に春を告げる
「倉敷春宵灯り」
日が暮れてくると
通りごとに、灯籠やぼんぼり、
そして蝋燭など灯されて
町は幽玄な雰囲気に包まれます。
そのイベントのひとつとして
今年も行われた「灯りコンテスト」
万蔵氏の作品は
一昨年、昨年と入選でしたが
今年は、最優秀賞に選んでいただく幸運に恵まれました。
作品の小さな窓には、色違いのビーズが
ひとつづつはめこまれていて
その光りのニュアンスが、儚く美しい。
毎年のことながら、短時間、低予算で
ぐっと集中力を高め、
諦めることなく製作を続けた万蔵氏には
心からのおめでとう!。
それが助けになったか否かは別として
買い出しから、簡単な作業まで、
手や口を出してきた娘も
表彰台に上げてもらい
副賞を受け取る役をさせていただきました。
春の始まりの宵に
家族みんなにとって素敵な思い出ができました。
*表紙をめくって*
丸善のB5ノートを愛用しています。
そっけないほどにすっきりしたデザイン、
焦げ茶色のテープも
この上なく好みです。
新学期を迎える楽しみは、
新しい文房具を揃えることでした。
とりわけ、表紙をきゅっと折り返し
まだ何も書かれていない白いノートを前にした時の
こざっぱりとした 清々しさ。
「さあ!」という前向きな心持ち。
今の私に新学期はないけれど、
新しいノートを開く時の気持ちに
変わりはありません。
春を前に、定番ノートを少し買い足して
新しい 季節のスタートです。
さあ!
(2007.4.01)