冬時間
町角のあちこちに飾られたツリーに
灯りが点り始める頃、
暮れかけた西の空を見上げると
背の高い裸木が
切り絵のように黒々と
くっきりそびえて美しい。
ときおりの風に肩寄せながら
その物語めいたシルエットが闇にとけるまで
12月の街を彷徨い歩いた。
こんな冬の夕暮れこそが
あたたかな記憶として
思い出の頁に、
温もりを添えてくれることを 噛みしめながら。
メリークリスマス!
(2003.12.24)