冬時間
高原に
五月は、
大好きな五月は、
へこんだまま過ぎていった。
少し遠くまで足を伸ばそうと思っていた舞台は
迷っているうちにチケットがなくなり、
「これは!」と決めた目標は
もがいた挙げ句に 達成できず。
迷ってしまったのは、ちょっとした勇気がだせなかったから。
達成できなかったのは、自分の考えが甘かったから。
五月は、
打ちのめされた月だった。
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台風一過。
気持ちのよい風が吹いている。
今日から六月だけど、梅雨入り前、
瑞々しい緑はまだ健在だ。
気持ちを切り替えたくて 高原に向かう。
魔法瓶にコーヒーを詰め、
パン屋でパンを調達し、
本屋で本を仕入れ、
山で気持ちよく過ごすのに必要なものは 出揃った感がある、
・・・いや、正直に白状すると
途中、「道の駅」で手が伸びた
山菜おこわと豆大福も、バッグの中に!
おみやげのチーズも忘れません。
しばしのドライブの後、車を降りると
ひばりのさえずり、木漏れ日、吹き抜ける風。
シロツメクサ、のあざみ、へびいちご。
遠く、羊や牛の姿も目に入る。
これ以上必要なものは、
もちろん、もう何もない。
(2003.6.01)