冬時間
3月9日デジカメ絵日記
3月9日
陽気に誘われ公園へ。
好きな自然のモチーフがいくつか。
小鳥、雪の結晶、
そして
木の葉もそのひとつ。
木の葉のクッキーと、枯れ葉の握手。
シンプルなのにとても優美で 心惹かれるカタチ。
最近 よく考える。
1日に、1時間に、
いや1分の間に何度 あなたの名前を呼ぶだろうって。
人生の中で これほど頻繁に名前を呼ばれる時期って
今をおいてないのかもしれないね。
あなたの名前はとても難産だったけれど
呼ぶ度に嬉しい気持ちになるから
それはそれでよかったのでしょう。
それにしても
今日 公園に来てからも 何度名前を呼んだだろうね?
もし「枯れ草図鑑」なんてものがあったら
私は間違いなく愛読者。
初夏の新緑も心が躍るけれど
枯れた植物にも 胸が騒ぐ。
この枯れた実、いったい何だろう?
それを教えてくれる図鑑が欲しい。
池のほとりでお昼ごはん。
卵とお野菜を挟んだロールパンを
バスケットに詰めて来た。
今でも忘れない。
小学校5年生の時、
バスケットに焦がれて、焦がれて、
焦がれ続けたことがあった。
探しても探しても見つからなかったけれど
あの時の熱い気持ちは はっきりと覚えている。
サッカーをする少年。
ラクロスをする少女。
写生をする青年。
読書をする老婆。
鳩を追いかける子供。
身を寄せ合う恋人達。
そして散歩する私達。
色鮮やかで 賑やかな公園の午後。
園内に古い洋館。
こんな洋館が私の高校にもあった。
その頃の私は、
サッカーをするでなく、
ラクロスをするでなく、
写生やデートをするでなく
文芸部でちびちびと文章を書いていた。
何かがあると 言の葉を集めるのが好きな性分は
今とあまり変わらない。
さて
モスグリーンの古びた扉の向こうは?
閑かな空間。
カフェの窓辺で白いカーテンが揺れている。
ここはいつ来てもほとんどお客がいないけれど
それゆえの静寂が私は好き。
カップに、椅子に、日の光に、
それぞれ個性と物語があるようで。
「次には何か食べようね」
メニューボードを覗き込み
チョコレートパフェが気になる旦那さま。
ああ、本当に春が来たのだなあ。
Life is Beautiful.
調子に乗って そんなことを口走ったりして。
あまりの気持ちのよさに
このままお昼寝でもしていきたいところだけど
おちびさん連れですから
今日はもう帰りましょうか。
帰りに寄ったスーパーでは週末市が。
朝採りの新鮮ないちごを買いました。
こつぶで甘酸っぱくて
つやつやした赤い実。
これぞ‘ストロベリー’!
果汁を少し娘にもあげました。
はじめての春の味は 相当すっぱかったみたい。
東京人ではないけれど
雑誌「東京人」はよく読みます。
東京という中心地が発信する雑誌でありながら
世相や流行に迎合しない紙面作りが面白く、
何より興味深い特集が多いのです。
「古本道」「大正はいから建築」
「喫茶店の憩い」「同潤会アパート」などなど。
外はぽかぽかだったけれど
家の中は まだちょっと寒い。
家族揃っておこたに入り、読書をしながらうとうと、と
結局 最後は春眠暁を覚えず、の休日。
(2002.3.9)