Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
休日の朝食にフレンチトーストを焼いて ブラックカラントのジャムを添えた。 ブラックカラントは、 初めてイギリスに渡った遠い夏の味。 「BLACKCURRANT」 辞書を引くと、「クロスグリ」と書いてあり、 その名前には、親しみがあった。 昔、味を想像しながら読んだ物語の中の果実は こんな味だったんだ。 ものすごく好きな味というわけではなかったし、 想像していた味でもなかった。 そもそも 私が口にしたのはフレッシュな果実ではなく 専らホストマザーが用意してくれる紙パック入りのジュースだった。 それでも、私はBLACKCURRANTをしみじみと味わった。 味そのものではなく、 「クロスグリ」という言葉に馳せた憧れをこそ 味わっていたのかもしれない。 (2019.7.14) 高校時代は文芸部に所属していた。 年に二回、公式な文芸誌を作成する以外は 気が向いた時に ルーズリーフに書いた原稿を持ち寄り ファイリングする。 活動といえばそれくらいだったけれど、 足元覚束ない高校生活の中で いうなれば、それは拠所。 鳥が小枝を集めるように 私は言の葉を集めてきて 自分の巣を編んでいたようなものだった。 ちょうど令和に変わる頃、 当時の仲間と連絡をとることがあり、 久しぶりに懐かしい文芸誌を開いてみた。 奥付をみると、 印刷/発行は平成元年。 あれから30年が過ぎたんだなあ。 しみじみとした想いのあと、 可笑しみもまた、こみ上げてくる。 だって、今やっていることも昔と変わらない。 私にとってホームページというこの場所は、 あの頃のルーズリーフに他ならないのだもの。 足元は相変わらず覚束なく、 今日もまた、長いの短いの太いの細いの、 言葉の枝を集めて巣を編んでいる。 (2019.7.05) ラン |
半年前の冬の夜、 エマーソンの言葉に心動かされた。 「Every wall is a door.」 (壁のひとつひとつが扉なのだ。) 目の前に立ちはだかる壁が 高く、厚くて怯んでしまう時も その壁こそが先につながる扉なのだと思えたら どんなに勇気づけられるでしょう。 シンプルでありながら 限りない希望が感じられる一文です。 「Every wa ll 壮行会のための、おうち壮行会、 のためのロールケーキ。 ココア生地で、 モカ風味のバタークリームをくるり。 ひとつ、壁を扉に変えて 壮行会に向かう娘に! (2019.6.14) |