Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
あたたかく、よく晴れたイブでした。 庭に出ると 青々と葉を繁らせる八朔の木と ほぼ裸木になったカリンの木が 青空を背景に それぞれ気持ちよさそうに伸びています。 いつものクリスマスクッキーと いつものホワイトチョコレートのケーキを焼きました。 いつもの、が今年もまたできるということは なんとありがたいことでしょう。 いつもと違ったのは 収穫したてのすっぱいすっぱい八朔を デザートのフルーツポンチにいれてみたこと。 柑橘を剥く香りに カポーティの「クリスマスの思い出」を思い出しました。 酸味が強く、ほんのり苦味のある八朔は 甘いフルーツポンチを きゅっと引き締めてくれました。 Merry Christmas! (2018.12.24) ダイニングテーブルは丸いものがいい。 そう思ったのは 英国、バースの街でマリア一家と暮らした時だった。 夫婦と小さな子供二人。 皆で肩寄せ合って囲む丸い食卓は 親密であたたかく、 結婚を控えていた私は、その光景に憧れた。 帰国後、同じような丸いダイニングテーブルを購入して 結婚生活は始まった。 あれから、20年。 この秋、ダイニングテーブルを買い換えた。 家族は四人になり 二人の子供達もそれぞれに成長中。 ここ数年、さすがに窮屈になってしまったのだ。 誰かが新聞を広げ、 ノートパソコンでも持ち込もうなら満員御礼。 想いのつまった丸いテーブルには愛着もひとしおだったけれど 椅子だけは四脚引き継ぐことにして 今の自分たちの生活に合うテーブルを探すことにした。 新しいテーブルには 天然のクリ材の質感が活かされた 長方形のものを選んだ。 食卓としてだけでなく、 父娘などは画材を広げて絵を描くこと等も多いので 作業台にもなる大きさを、と2メートル近い長さのものに。 広々としたテーブルは こざっぱりと気持ちがよいし、 まさに、筆がのる前のキャンバスのよう。 まだここにないものへの期待が広がっている。 これから、この上でどんな日々が どんな風に描かれていくのだろう。 クリスマスまであと少し。 ツリーやランプに明かりを灯して この時季ならではの、cozyなひととき。 ダイニングテーブルに教科書やプリントを山と積んで 期末テスト直しをしている娘の横で 私もラジオ講座のテキストを広げ・・・たはいいものの とろりとろりと眠気の波。 いよよ波にさらわれてしまうかと思われた最後の最後で テキストの一文に目が釘付けになった。 眠気は、瞬時に飛んでいる。 「Every wall is a door.」 (壁のひとつひとつが扉なのだ)* アメリカの哲学者であり詩人、作家でもある、 ラルフ ウォルドー エマーソンの言葉だそうだ。 素敵な言葉と出会った時には、 気持ちにも明かりが灯る。 そんな明かりを頼りに、 へこたれそうな自分をなんとか立て直して生きてきた気がする。 ちょっと、ちょっと、これ聞いて! この言葉の明るさたるや、テスト直しの邪魔をしてでも 知ってほしい。 部屋に、心に、明かりが灯り ダイニングテーブルを中心に 12月の夜は更けてゆく。 12月の色は、やっぱり赤。 2018年12月の赤は とびきりのオランジェットと(パッケージもとびきり) 素敵な言葉との出会いをくれたラジオ講座のテキスト。 それにしても、 12月の時計の針はどうしてこうもはやく進んじゃうんだろう。 美味しいお菓子も、語学の学習も 一日、一日、 もっとじっくり味わっていきたいのに・・・ *エマソンの言葉は NHKラジオ講座テキスト「実践 ビジネス英語」12月号 Quote Unquoteのコーナーより。 (2018.12.15) |