Blue Willow のある食卓 vol.10
どんなものと合わせても
いつも新鮮な驚きをくれるブルーウィロウ。
はっとさせられる瞬間を
暮らしの中から切りとって。
| そういう理由で、おでかけした日 おやつにダックワースを買って帰りました。 さっくり、ふわっの口当たり、 苺のクリームが入った春らしいダックワースです。 あっちきょろきょろ、こっちてくてく、 すっかり疲れてしまったのでしょう、 帰りのバスで眠ってしまった娘は 帰宅後も3時過ぎまで眠り続けたのち、 遅い昼食と、おやつのダックワースをぺろりとたいらげました。
娘も2歳4ヶ月を迎え、 このところ、育児がぐんと楽になったように感じています。 彼女と過ごす時間が俄然楽しくなった、と言う方が正しいでしょうか。 一方的にお世話をしてあげる時期は終わり、 言葉で十分にコミュニケーションがとれる楽しさがある今、 「ママ、あのね・・・」と切りだしてくる彼女の話が とてもかわいらしく思え、心から楽しみです。 この日も私好みの雑貨店で「ママ、これ かわいいね」と ココロニクイ発言をしたかと思えば アイスクリームの上に乗っていたミントを見て「これ飾りかな、かわいいなあ」だなんて いっちょまえに言ったりして! 女同士の楽しみを少しずつ共有できるようになってきたのかしらん、と なんとなくくすぐったい気持ちの私です。 そういえば今、娘と二人して あるビデオに夢中になっています。 もともと 凝り症の私。 好きな料理研究家のビデオをひたすら繰り返し見ているうちに 横で見ていた娘もすっかり気に入ってしまった様子。 どうやら作る過程を見るのが面白いみたいで、 今では彼女の方から頻繁に「お料理のビデオが見たい」とリクエストされるようになってしまったのです。 いきなり娘に「オリーブオイルがね」だとか、「にんにくチューブを」 なんて言われてとまどっているだんなさま、 これで謎が解けたでしょうか? うふふ、でもね。 オリーブオイルは知っていても じぶんは「じんぶ!」 めがねは「めなげ!」 一ヶ月は「いかげっつ!」 まだなだオチビさんに変わりありません。 ウィロウの愉しみを分かち合えるのは、もう少し先のことのようです。 (2004.3.26) とまどっているダンナさま、これで謎が解けたでしょうか? |
ほんの数年前までは 決して知名度が高いとは言えなかったスコーン。 今や かなり多くのお店が扱うようになってきました。 私ももちろん大好きで、 新しい配合のレシピを見つけると 必ずといってよいほど試してみるほどですが 先日、スコーン生地で作るケーキ‘コッツウォルドアップルケーキ’のレシピを見つけて 早速、焼いてみることにしました。 このケーキ、作り方が面白い! バターを溶かしたお鍋にそのまま小麦粉や砂糖といった材料を全部入れて混ぜるだけ、 あとは切ったりんごをサンドして型に入れて焼けばできあがり。 その手軽さたるや 打ち粉をして、型でぬいてゆくスコーンよりも簡単なのです。 お味の方も 文句なし。 ざっくりとしたスコーン生地の美味しさと、甘酸っぱいりんごが相まって とてもとても 数分でできたものとは思えません。 このケーキは、北野佐久子さんの新刊*に載っていました。 スコーンの人気、ひいてはイギリスブームを追い風に 近年ではイギリスのお菓子を扱った本も沢山、出版されるようになりましたが 10年以上も前に出会った北野さんの著作「イギリスのお菓子」(CBSソニー出版)が 私にとっては 一番大切なイギリス菓子の本です。 思い出もシミも、あちらこちらに染みついていて 数え切れないほどのレシピで作ってきたスコーンも、 結局は 食感や味など一番好みのものは北野さんのレシピなのです。 それでも、イギリスで食べた理想のスコーンには あとほんのちょっと届かない・・・ 新刊のエピローグで北野さんは、 イギリス菓子は どこにでもある材料で誰にでも手軽に作れるからこそ 材料の質が大切になるということ、 又、粗く精製されたイギリスの小麦粉と、きめの細かい日本の小麦粉では どうしても焼き上がりが違ってしまうということを書かれていました。 美味しいんだけど、あとほんのちょっと何か足りない・・・ その‘あとほんのちょっと’はそこかもしれないなあ。 渡英時のおみやげリストに、粗挽き小麦粉が加わったのは言うまでもありません! それにしても 同郷のお菓子を載せたウィロウはやはりひときわ輝いています。 そういえば、思い出深い北野さんの本の中でも スコーンはウィロウのお皿で紹介されていましたっけ。 *イギリスのお菓子 楽しいティータイムめぐり(北野佐久子・集英社be文庫) (2004.3.14) |
溜まった宿題や気の重い進路相談、 そんなものでいっぱいの16歳にとって それは場違いに立派で優雅なものに映った。 缶入りのハロッズNO.14。 それが憧れている先輩からのプレゼントだということ、 NO.14はハロッズのお茶の中でもとりわけ特別なものらしいということ、 大きな缶を手に、彼女はいつもより饒舌になる。 管弦学部の音階練習が、グランドからの歓声が、 そして私達のおしゃべりが、 高い空にすい込まれてゆく金木犀の季節。 先日、野外バザーの青いビニールシートの上に ハロッズNO.14の茶葉を見つけた。 堂々たる缶入りではなかったけれど、 その落ち着いたパッケージは 雑多に並べられたものの中で、品格を失なうことがない。 値段の記された黄色い付箋が不似合いに貼られていて 私は迷いなく手に取った。 あれから いくつも秋を迎え、 今の私がハロッズの国に惹かれていることも ブルーウィロウでお茶を飲むことも彼女はよく知っている。 けれども、どんな気持ちでNO14.を飲むのかは おそらく、知らないだろうと思う。 その先輩に憧れていたわけではない。 そんな贈り物を選んでくれる先輩を好きになる彼女こそが どこかまぶしく見えたのだ。 16歳の秋のこと。 ハロッズNO.14. どんな季節に淹れても、それは遠い秋の味がする。 (2004.2.15) |