Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
夏の定番、琥珀色のコーヒーゼリーには 泡立てず、砂糖も加えない生クリームを添える。 ほろ苦く、ほのかに甘い うっとりの口溶け。 至福の表情で目を閉じて味わっている娘の横で パールマン演奏のCD「バレエの情景」をかけると 「いいねえ・・・」と、またまたうっとり。 「バレエの情景」は、今、ちょうど娘が練習している ノスタルジックで美しいバイオリンの曲だ。 中学生になり、バイオリンとの時間が減ってしまった。 平日、一日の授業と部活動を終えて帰宅する頃には 疲れもピーク。 「もうちょっと弾きたいなあ・・・」と 残念そうに練習を切り上げることもあれば 楽器をケースから取り出す気力体力が残っていない日さえある。 それでも、 とりあえずは、バイオリンを構え 心を込めてワンフレーズだけでも弾く。 つまりは、どんなに短いものであっても 毎日バイオリンとの時間を持つ。 バイオリンを始めた時から大切にしてきたその一点だけは なんとか貫いている。 「ここ、好きなんだよねえ・・・」 もはや、ミュート(弱音器)を着けてさえ楽器が鳴らせる時間ではないので CDに合わせて、エアバイオリン。 楽しそうに弓を前後させている姿を見ていると 母は、うっかり甘くなる。 よしっ、エールの二皿目、 珈琲ゼリーのおかわり、了解! それにしても、中学生って忙しい。 時計の針の進み方まで、すっかり変わってしまったようです。 めずらしく部活動のなかった休日、 娘を誘ってギャラリーの染付展に行きました。 一目惚れして、迷って悩んだ末 彼女が買ったのは、懐中時計のカップ&ソーサー。 おこづかいをはたいて買った初めての自分の器です。 小学生の頃、不思議の国のアリスに夢中になって以来、 懐中時計というモチーフは彼女にとって特別なものなのだとか。 安定感のあるフォルムに 淵の茶色が効いています。 飾っておこうとした娘を制して、 早速、毎日使うように。 使ってこそ、一緒に時を刻んでいけるんだから! 中学校に入学して3ヶ月。 宿泊研修、体育祭、期末試験と乗り越えて ようやく「夏休み」が見えて来ました。 時計の針を味方につけて、 有意義な夏が送れるといいね。 (2014.7.4) しょうがっこう |
Br 新しい言葉と出会った。 "Breakfast Treats” breakfast は朝食、 treatsはちょっとした 楽しみ、という意味だから 朝食にもふさわしい、 あるいは朝食代わりになるような 甘いもののことを、そのように呼ぶのだそう。 朝一番の、甘いしあわせ。 なんて心躍る言葉なんだろう。 訳すことのできない、 Breakfast とTreatsの組み合わせからしか生まれない 軽やかなときめきが感じられる。 いい具合に明日は土曜日。 気になっていたレシピを思い浮かべ 季節終わりの苺を買った。 苺を生地に入れて 表面をグラニュー糖で覆ってかりっと焼き上げる。 冷たいカスタードソースを添えると 初夏にぴったりの味わい。 紅茶ともコーヒーとも、 もちろんミルクにもよく合う 週末のBreakfast Treats。 「これは!」というレシピと出会うと すぐに作ってみたくなる。 素敵な言葉に出会ったとき、 すぐに使ってみたくなるように。 (2014.6.7) |
朝早く起きて台所に立つと、
まだ暑さの残る頃、
「落ち着いたら連絡します」
泣くのにちょうどいい場所を探せたのだろうか・・・
*引用部 (筑摩書房)
(2014.5.26)
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