Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
それぞれの GROWIN' UP 姉 市の中学美術展に、 娘の作品が展示されることになったとのこと。 これはもう、完全に父親の血に違いありません。 娘が描いたり、作ったりするものには ときどき、はっとするセンスを感じることがあります。 今回展示していただいたのは 学校の美術の時間に制作したという切り絵作品。 シンプルな構図ながら、 生命あるものが「暗闇の中、光りながら育つイメージ」が スパッタリングや、マーブリングといった技法を使って 象徴的に表現されていました。 タイトルは、「grow」 親の立場からすると 中学に入学してこの一年間ほど 娘の心身のgrowを感じることはありませんでした。 彼女の成長を支えるのは、もはや家族のみにあらず。 とりわけ、初めての「親友」とも呼べる存在が、 彼女の毎日をうんと彩ってくれているようでした。 初めて自分が選びとり、また自分を認めてくれた友達。 明るいほうへ、明るいほうへ。 互いが互いを好ましく導き合っていること、 それは、端から観ていてもよく分かりました。 その友達が、春には県外に引っ越してしまうことに。 それが分かった日、 娘は普段通りに帰宅し、明るくおやつを食べ、おしゃべりをしました。 そして、数時間後、お稽古の帰りにふと、 自転車で前を行く私の背中に、力なく叫んだのでした。 「Kちゃん、引っ越すんだって!」 ため息の止まらない娘に言ってみます。 私自身も残念だけど、明るさを装って。 「今なんてメールがあるんだから、いつだって話せるじゃない。」 絵文字だらけの楽しげなメール、 いろんな友達とやりとりしてるでしょ。 励ましたつもりだったのに、一蹴されてしまいました。 「Kちゃんには、ちゃんと手紙で書きたいの!」 メールもしない。 プリクラ1枚だってありはしない。 そんな必要さえなかった友達と出会えたことが何よりだったね。 growには養分が必要なんだ。 それは、時に苦く、時に切ない。 成長痛は、心にもきっとある。 そんなことは、でも、もちろん言わない。 そして、ただ誘ってみる。 「春休みになったら、いっぱい便箋買いにいこう!」 弟 美術展帰りは、いつもの公園へ。 息子、コロなし自転車の練習です。 思えば、歩く練習をしたのもこの公園でした。 支えようとする姉の手をふりきり 一歩、一歩、自分で歩こうとしていたものです。 「もっててよ、ちゃんともっててよ」 お姉ちゃんに何度も念を押します。 「大丈夫、もってるよ」 根気よく姉もつきあいます。 誰だって、初めは転ぶ。 誰だって、初めは怖い。 でも、支えてもらっているという安心感に背中を押され トライし続けるうちに あれ、一人でこげてる! ふっと、その瞬間がやってくる。 「もっててよ」 「もってるよ」 姉の手は、もう離れている。 こちらも、大きなgrow・・・ と思いきや、この数日後、骨折して しばらくは自転車どころではなくなるのですが。 行きつ、戻りつ。 姉と弟、それぞれのGROWIN' UP! ポカポカの春の陽射し・・・と思いきや 翌日はまた風雪の舞う寒波。 季節もまた、行きつ、戻りつ。 でも確実に、前に、前に。 (2015.3.10) |
グランチェスターは、
英国の詩人、ルパート・ブルックが かつて「平和と、神聖な静寂のある村」と詠った ケンブリッジ近郊の小さな村だ。 The Orchard (果樹園)という名前のティールームは、その村にある。 創業1897年。 ケンブリッジからの学生も大勢訪れ バージニア・ウルフやA.Aミルンなども足を運んだという。 ケンブリッジに恩師を訪ねた際、 一緒にそのティールームを目指したことがある。 貸し自転車屋で足を調達。 グランチェスターまで、風の強い野原の一本道を ひたすら並んでペダルを漕いだ。 郊外の田園風景や、愛らしい家々を楽しみながら 20分くらい走っただろうか、 グランチェスターに到着した。 (8月ではあったけれど、すっかり秋の風情。 体は冷えきり、 ハンドルを握っていた手はかじかんでしまうほどだったから The Orchardでいただいた熱い紅茶の なんと美味しかったことだろう! サンドウィッチとチョコレートケーキを注文して 懐かしい話に花が咲いた。 先日、新聞に先生のお名前を見つけた。
(2015.3.07) |