Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
季節のあわいに立ち、 ふと振り返ってみると なにもかもが、 ゆらめく陽炎の中の出来事のよう。 目を凝らしてはみるけれど 既に遠く、懐かしい夏。 また、次の夏に・・・ (2016年 秋のはじまりに) |
イギリス出身のフードライター、 レイチェル・クーの料理番組を見て驚いた。 彼女はパリのアパルトマン暮らし。 一人住まいとはいえ、 その部屋で2名限定のレストランをひらく 食のスペシャリストだ。 それなのに・・・ キッチンときたら、 四方、彼女が両手を広げたくらい。 実験室的わが家の台所が、広く見えてくるくらいだから 相当なもの。 そんな中、ガタガタするまな板でパイ生地をこね、 下ごしらえしたものが小さな冷蔵庫に入るか心配し、 (時には、ベランダで冷ましてる!) 這いつくばって、一つしかないコンセントに電源をとっている。 料理の準備には、ボウルやバットの代わりに 普通のお皿をどんどん使用して あいた時をみて、自らの手で洗いもの。 小さなキッチンで全身を使い切って料理する姿が 見ていて、気持ちいい。 小さい空間の中で、 無駄を省きつつ、美味しさを追求する。 その試行錯誤の中で 彼女の料理は生まれていったそう。 でも、彼女は笑って言い放つ。 「小さすぎて、ときどき「わーっ!」って叫びたくなる。 恋愛と一緒で、いい時も、悪い時もあるわ」 テレビの前で、何度も頷く。 うちも、あるある。 狭さゆえの工夫が何かを生み出しているかはともかく、 「わーっ!」だったり、「ひゃーっ」だったり、「ぎゃーっ」だったり 叫びたくなることはね。 まあ、いろいろ。 夏休み最後の朝食は、レイチェルのレシピで クロックマダム。 マフィン型と利用した、かわいらしい一品。 私の小さな台所にも、幸あれ! (2016.8.31) |