Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
もう少し先のことかと思っていた 夏の終わりがちらりと見えて、 迷いなく献立が決まる。 ウィロウには、南瓜のそぼろ煮、 信楽の器には、茄子の南蛮漬けを。 「浜辺の調べ」という名前に惹かれてこの信楽を買ったのは 娘がまだ1歳だった時。 現在は、16歳。 秋に控えたバイオリンの発表会で、 彼女が先生との二重奏に選んできたのは『浜辺の歌』だった。 (2018.8.19) 帰省 お盆休みが終わろうとしている。 子供の頃、 祖父母宅に親戚が集まる盆暮れの帰り際は 皆が庭まで出て 手を振って見送り合った。 いとこ達が先に帰ると寂しくて、 自分たちが見送られる側でも しんみりした。 休みが終わってしまう。 ここに来た時に、時計を巻き戻せたら。 そんな思いにかられながらも、 しかし、同時にまた、日常に戻っていける安堵感もあった。 年月とともに 見送り合う顔ぶれは変わった。 今ではもう記憶の中でしか会えない人たちもいる。 でも、今年もまた見送られ、 姿が見えなくなるまで手を振り続ける。 またね。元気でね。気をつけて。 声を掛け合いながら、 しんみりして、安堵して。 故郷では、父の喜寿を祝うという 嬉しい会を持つこともできた。 年齢相応の問題を抱えながらも 父も母も元気にいてくれることがなによりだ。 短い滞在期間に、 お祝いの会はじめ、 博物館も買い物も海水浴も詰め込んで 慌ただしくも、これぞ夏休み! お盆休み最終日の今日は、 桃と紅茶のケーキを焼いた。 早くも学校の講習が始まった娘が 疲れて帰ってくるだろう。 アイスクリームでも添えようか。 アイスクリームのことを「クリーム」と呼んでいた祖母は 「これでクリームでも買ってね」 別れ際にいつもそう言ってお小遣いを渡してくれたっけ。 彼女ともまた、今は記憶の中でしか会うことができないけれど その息子である父が、 今は子供達に同じことをしてくれている。 (2018.8.16) |
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