Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
![]() 昨年にひきつづき、父と妹、 そして春から都内で働き始めた娘も合流した 晩秋のお江戸紀行。 朝、まだ明けきらぬうちに出発し 東へ向かう新幹線の流れる窓から 一日のはじまりを眺めていると 「ぼくらは朝をリレーするのだ」 *という 谷川俊太郎さんの詩の一節を まさに生きているような気持ちになるのでした。 ![]() 父の希望で、若き日の父と母が暮らし 私が生まれた千葉県流山市も訪れました。 この川辺で、よく父と一緒に電車に手を振っていたそう。 およそ50年も前のこと、 この場所が写ったモノクロ写真を見たことはありますが もちろん、記憶はありません。 当時お世話になった方にもご挨拶。 そして、父の旅の目的のひとつでもあったのでしょう、 遠くこの地から病床の母を励まし続けてくれた 母の友人ともゆっくり話す時間を持つことができ 小雨降る肌寒い日でしたが あたたかい想いに包まれた午後になりました。 ![]() 翌日は、早稲田界隈を。 流山での父と母との住まいを度々おとずれていたのが 当時、早稲田大学に通っていた父の弟、私の叔父さんです。 叔父さんは幼い私をかわいがってくれて 以来ずっと、私にとって一番親しい親戚です。 そんな叔父さんの母校の文学館で気になる版画展が開催中、 見逃すわけにはいきません。 そして、ここまで来たからには 父の推し!? この地に生まれ、ここで生涯を閉じた夏目漱石の記念館にも足を伸ばします。 父は展示を堪能し、 デザイナーの娘は、当時のブックデザインに見入り 私と妹は「帰ったらば、もう一度ちゃんと読み直そ」と 心新たにした次第。 それぞれに良き時間を送り 記念館を出ると、父から皆に漱石マグネットが配られたのでした。 いつ買ったの!お父さん。 いつもはそれぞれの場所で暮らす4人が 共に歩いて、共に食事をし。 父の案内で、懐かしい風景と再会し 今、こちらに暮らす妹や娘から 新たな景色に導いてもらう。 過去から、現在、そして未来へと思いを馳せる 特別な旅となりました。 私たちは、時の流れの中で 朝の、日々の、人生のバトンを受け取って 手渡し、つないでいくのだなあ、 まさにリレーのように。 そんなことを思いながら 父の好きなティールームで 3世代で囲んだアフタヌーンティーの3段トレイも 素敵な思い出です。 旅を終えて、 おみやげの包みを解くのも愉しき時間。 その土地、そのお店にしかないものとの出会いが 旅の醍醐味です。 旅のおはなし、もう少し続きます。 *「朝のリレー」 谷川俊太郎 旅に出る前日に、谷川さんの訃報に接しました。 ご冥福をお祈りいたします。 (2024年・晩秋) |