Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
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毎朝のお弁当作りは、 眠い目をこすり、時間に追われながら 朝食作りと並行しつつ。 それなりに大変なので 機嫌よく続けていくために、 音楽や動画を流しながら台所に立つことも多い。 一方、ぐっと心をこめて お弁当作りに集中したいときが ときどきやってくる。 息子の公立高校入試の朝。 いつもより早く目覚めると、雨音がした。 昨夜まで晴れの予報で 春のあたたかさを感じていたのに 気温も低く、気が滅入るような暗さ。 入試に挑む息子を気持ちよく送り出したかったのに よりによって。 ペースを乱されたようで少し動揺しつつ お弁当作りをスタートさせた。 鶏肉の竜田揚げ、卵焼き、わかめごはん・・・ 特別な日のお弁当のメニューは 昔からなんとなく決まっていて 遠足や運動会など、 これまで何度も作ってきた。 作り慣れてはいるけれど、作るときの気分は そのときどきで、違う。 とりわけ今回は特別だ。 自分だけの力で立ち向かい、結果を出すことが求められる 人生はじめての受験。 幼かったときのように、 手を貸してあげることも、代わってあげることももうできない。 音楽も動画もなく、 雨の音だけがかすかに聞こえる静かな台所。 祈るような思いで いつものお弁当を作った。 出発の時間が迫っても 結局、雨は止むことはなかった。 息子は言葉少なに、淡々と身支度をし、 合羽を着て、 冷たい雨の中に漕ぎ出していった。 坂の下でこちらを振り返り、 軽く手を上げて視界から消えていった後ろ姿を 私はきっと忘れないだろう。 入試も、中学校の卒業式も、 合格発表も終わり、 感情の波が大きく揺さぶられ続けた 三月がようやく終わる。 息子は憧れていた高校から合格通知をいただき、 私はまた音楽や動画の力を借りて 自分を甘やかしながら お弁当を作るいつもの朝。 さて今日は、と 卒業式で撮った合唱曲を再生してみた。 大人と子供のあわいにある15歳の歌う RADWIMPSの「正解」は 荒削りで一生懸命で美しくて。 式当日に聞いたときもじわり涙が滲んだが すべてがひと段落した今、 緊張感や安堵、喜びや開放感、 三月の感情すべてが押し寄せてきて グリルから鮭を取り出しながら 涙が次から次にこぼれ落ちた。 ❇︎ 庭のカリンもほころびはじめ、 高校の制服も届いた春休みのお昼ごはん。 「正解」を流してみたけれど 過去に想いを馳せるは私ばかり。 新高校生はすでに未来を見つめ・・・ いや、スマホに見入ってた! 「正解」 RADWIMPS (2025. 4) 時計のフェイスはスクエア。 傘の柄は竹素材。 そして、トースターはポップアップ式。 こだわりというほどでもないけれど 気が合うというか(モノですが!) しっくりくるというか、 代替わりしても必ずそれを選んでしまいます。 結婚当時から愛用してきた サンビーム社のクラシックトースターが いよいよ退役のとき。 丸みを帯びたクロームの愛嬌あるフォルム、 2枚のパンがポンっと飛び出す ポップアップならではの楽しさが大好きでした。 新しく迎えたクイジナード社のトースターも もちろんポップアップ式。 銀色に光って、 こんがり香ばしく焼けたパンがポンっ! 目も、鼻も、耳も、 全身で朝の気分を味わえる、この存在感。 やはりトースターはかくあってほしい。 (2025.3.14) |
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