Blue willow のある食卓
ーEveryday with Bluewillowーー
「京都の秋 音楽祭」の一環として行われた 川口成彦さんのフォルテピアノリサイタルに行きました。 昨年のドキュメンタリー放送以来、 ぜひ、演奏を聴いてみたいと思っていましたが、 今回のリサイタルは まさにこの曲を聴きたい!というラインナップ 発売と同時に、迷わずチケットを手配し とても楽しみにしていました。 今回のリサイタル、 もう一人の主役が、このピアノでした。 1843年度製のプレイエル。 いわゆる古楽器と呼ばれるショパンの時代の楽器です。 マホガニー製の優美な姿と、 繊細な弱音が持ち味。 時代を超えて、今、日本の古都でその姿を目にし、 音色を聴くことのできる歓び! 満員のお客さんは皆、同じ想いだったのではないでしょうか。 京都での時間を振り返りながら 抹茶マドレーヌを焼いて、古いウィロウに。 欠けや汚れもあり状態がよくないから、と ショップの方からおまけにいただいたウィロウなのですが とても気に入っている一枚です。 皿単体ではもちろんのこと、 何かを載せたり、盛ったりしたときに はっとするほどの陰影と、豊かな表情が感じられるのです。 川口さんはインタビューで 「今のピアノの音が濾過された水だとすれば、 当時のピアノは砂や葉っぱが交じり、少し濁った川の水のようなもの。」 と語っていらっしゃいました。 時代の空気、人々の思い、 その他、有形無形のありとあらゆるものが溶け込んだ 清らかな、濁り。 時を超え愛され続けてきたものには そのような魅力があるように思います。 * 3つの時代を巡る楽器物語 京都コンサートホール 金木犀が香り始めた9月末、 子供達のバイオリンの発表会がありました。 息子にとっては3回目の発表会。 このところ、寝ても覚めても「将棋」一辺倒で 本人曰く「バイオリンの練習時間は、将棋の1/100くらい」! 娘にとっては、11回目の本番ですが 今年は受験生。 週末以外、楽器を出すこともままならない現実ゆえ 息子の二重奏のパートナー役や、合奏など 弾き慣れた曲で賛助的に参加です。 いつもの発表会でありながら、 今年は、ひとつの節目となる年でもありました。 小学1年生でバイオリンを始めた娘も、 早いもので高校3年生。 子供時代のほとんどが バイオリンと共にあったことになりますが 今回がその最後の舞台だったのです。 初めての発表会では 先生と一緒に「大きな古時計」をえっちらおっちら弾いた彼女も、 今や先生の背丈を追い越し 今年は二人でモーツァルトのK331。 ここまで続けてこられたのは、 先生との出会いに恵まれたからにほかなりません。 会話をするように流れていく二重奏に 胸がいっぱいになりました。 さあ、今後どんな風にでもバイオリンを楽しんでいけるだけの ベースは出来上がりました。 あとは、娘次第。 晴れて受験が終わったら、 またオケでも演奏したい、カルテットも魅力的、なんて 既に夢を膨らませているようです。 人生の相棒として 長く寄り添っていけたら素敵です。 発表会が終わると、秋も本番。 安堵感とともに、そうしみじみと感じるのは 毎年のこと。 お茶を淹れて、栗蒸しカステラを切って、 本番の録音を聴き返しながら 演奏会の余韻を味わいます。 発表会が終わったらやめようかな・・・ なんて言っていた将棋少年も 合奏の楽しさに やっぱり続けよう、と気が変わった模様。 そういうことがあるのも、発表会の面白いところです。 これからも、娘、息子、それぞれのバイオリンを それぞれの形で聴くことができたら嬉しいな。 ♪ MEMORIES ♪ 2012 2013 2015 1 2 2017 2018 (2019.9.30) |
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